過去ログ - フレデリカ「最後のデートごっこ」
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9: ◆TDuorh6/aM[saga]
2016/09/28(水) 00:39:00.25 ID:/4HhEtAk0
料理はとても美味しかった。
きっとアタシと食事してるからだよーなんてフザケデリカは笑っていたが、実際その通りだろう。
緊張で喉を通らないなんて事もなく、楽しく美味しくご馳走になれた。
窓際の席と言うのも相俟って、視覚聴覚味覚嗅覚の四つで贅沢な時を過ごせた気がする。
結局ビールは頼ませて貰えなかった。
元より本気で飲むつもりなんて微塵も素粒子程もなかったけれど。
俺が注文する前にホットミルクにされたからなんて理由では無い。
ある程度時間が経ったからか、店は入った時よりも静かになっていた。
食後のコーヒーを片手に、二人でのんびり窓の外を眺める。
とっても幸せな時間じゃないか、有給取って良かった。
「それでねー、文香ちゃんももっとグルメリポーターしてみたいんだってさー」
「鷺沢さんが、か…人間ってほんと見た目じゃ分からないな…」
それに関しては、俺は多分誰よりもよく分かっている。
いや、分からされたの方が正しいかもしれない。
もっと正確には気付かされた、だけれども。
「来週は、一緒にパフェ食べにいこーねー?」
他愛の無い会話。
それがとても居心地良くて。
ついついまた、フレデリカに甘えそうになってしまって。
そんな自分を叩きつける様に。
今度は自分から、切り出した。
「…少し、仕事の話をしていいか?」
「どーせなら日付が変わってからの方がいいかなー」
フレデリカも夏休みの宿題は八月三十二日に片付けるタイプだったのだろうか。
流石にそこまでは把握していなかった。
そして、俺としてもこのまま一緒に駄弁っている方が魅力的ではあるけれど。
…よし。
「まず、最初に…」
大きく息を吸い込み、吐き出した。
「俺は、フレデリカのプロデューサーじゃいられなくなった」
「…海辺、歩きながらでいーい?」
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