過去ログ - P「雪美の教育方針について?」
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2:名無しNIPPER[sage]
2016/09/28(水) 13:48:22.98 ID:8hvf5nw4o
「やっと終わった……」

山積みになっていた仕事を全て片付けて、大きく伸びをする。時計を見ればもうすぐ十一時だ。
家に帰るころには日も変わり、風呂に入って明日のためにすぐに寝なければいけない。いっそのこと
事務所に泊まってやろうかと思いながら立ち上がり、誰もいない事務所を見渡す。既にちひろさんは
帰宅しているし、点いている灯かりも俺の上の電灯だけ。と思っていたのだが。

「雪美? なんでここに?」

ソファーの上で安らかに眠る雪美の姿があった。ここに放置して帰るわけにはいかない。幸いにも雪美は
女子寮に住んでいるからここからそう遠くはない。周り道になるが送って行ってやろう。声をかけながら、
肩を揺さぶると雪美は眠たそうに瞼を開いた。

「んん……P……仕事終わったの……?」
「ああ。というかなんでお前はここにいるんだ」
「P……約束した……夕ご飯……連れて行ってくれるって……」

思い返してみるが、記憶にない。今日のことではないのだろうか。

「本当は……帰るの面倒になったから……送ってもらおうと思って……待ってた……」

そう言いながら両手を伸ばす。

「起こすのか?」
「だっこ……」
「だっこってお前小学生じゃあるまいし」
「昔は……膝に載せてくれた……」
「そりゃ昔はな。今、高校生じゃないか。ほら、普通に起きろ」

手を持って起こす。しかしすぐに倒れこむ。これは面倒なことになった。

「じゃあ……おんぶ……眠くて……歩けない……」
「おんぶもだめだ。ほら、起きて歩け」
「ぐぅ……ぐぅ……」

明らかなタヌキ寝入りをしている。こうなったらテコでも動くまい。俺は溜息を吐いて、妥協した。
しゃがみこみ、背中を向けるとさっきまでのぐーたらぷりはどこにいったのか素早い動きで背中に
しがみ付いて来た。

「楽チン……女子寮まで……ね?」
「わかってるよ。やれやれ」

雪美を背負ったまま事務所の戸締りをチェックし、鍵を閉めた。鞄も持ってくれないのでとても苦労した。

今日に限って車出勤しなかったことを恨みながら、女子寮への道を歩く。歩けば十分ほどの距離のはず
だが、雪美を背負っているので余計に疲れる。スカウトした時はまだ十歳で膝に載せても平気だったが
あれから七年。身長はぐんぐん伸びて160センチを越えた。それに見合うだけ体も成長した。
はっきり言って重いのだ。日頃の運動不足もたたり、背中の膨らみを楽しむ余裕もない。
女子寮につく頃には秋口の夜中だというのに汗が山のように出ていた。


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