11:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/28(水) 17:02:33.29 ID:Mhqb082T0
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「音ノ木坂学院っていう高校を見てみたいです。」
自然と口からそう零れた。場所をあまり知らなかったからかもしれない。それでもその答えは熟考したものだろうと変わらないだろうという確信があった。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/28(水) 17:10:04.26 ID:Mhqb082T0
「ここが、音ノ木坂なんだぁ……。」
スクールアイドルの頂点を決めるラブライブで優勝した伝説のグループμ's。
その母校の目の前に来ることができ、私は胸が詰まるような感動を覚えていた。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/28(水) 17:14:39.95 ID:Mhqb082T0
「もしかして、来年度の音ノ木坂入学希望者ですか?」
ふいに隣から声が聞こえた。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/28(水) 17:21:12.52 ID:Mhqb082T0
「はい、来年からここに通います。」
涙を隠すのに必死でつい嘘を答えてしまう。
「やっぱりそうなんだ!もう通ってなくても後輩ができるって嬉しいものなんだよね。」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/28(水) 17:25:33.53 ID:Mhqb082T0
「あの、体大丈夫?さっき泣いてたみたいだったけど。」
「あ、大丈夫です!私体が弱くて病院で暮らすことが多かったんですけど、なんとか高校にも通えるくらいは回復できたんで。」
「そっかぁ、良かったね。後輩が元気になって私も嬉しいよ!」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/28(水) 17:35:40.47 ID:Mhqb082T0
「そういえば、ここってあのμ'sの母校なんですよね?ずっと楽しみだったんですよ!何か記念品とかあるんですか?」
すると女性の顔が少し翳ったように見えた。
「うん、そうだよ。でもね、あの人達は何も残さなかったんだ。」
17:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/28(水) 17:44:55.95 ID:Mhqb082T0
「最初はどうして何も残さなかったの?って呆れてたんだけど、ここで私もスクールアイドルをやってみて分かったんだ。」
「え、お姉さんもスクールだったんですか?」
「うん。といってもあんまり有名じゃなかったんだけどね。それでさっきの続きなんだけどμ'sは活動を続けていくうちに賞とか記録よりももっと大事にしたいものができたんだよ。なんだか分かる?」
18:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/28(水) 17:54:26.26 ID:Mhqb082T0
「思い出……ですか。そんな不確かな、形がないものを残せたって言えるんですか?」
「物はね、形があってそこにあるということがわかる確かなものなんだけど所詮、物は物でしかないんだよ。μ'sの後にスクールアイドルをやってみて分かったんだ。」
「ここで活動した思い出は何者にも変え難い大切なものなんだって。それにほら、生徒達を見てみてよ。」
19:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/28(水) 18:02:41.37 ID:Mhqb082T0
「なんだか、みなさん生き生きしてますね。本当に学校が楽しいみたい。」
「この笑顔がμ'sの残したものだと思うんだよ。私は´お姉ちゃん´みたいなスクールアイドルにはなれなかったけど、心は繋がっていると思えたからここで過ごした高校生活は本当に楽しかったよ。」
20:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/28(水) 18:10:30.06 ID:Mhqb082T0
それは今までの私には想像もつかなかった考えだ。
いつもそこにいなければ、確かなものが無ければ忘れ去られてしまうのが常識なのだと思ってた。それともその常識を上回るほどの思い出をμ'sはこの学校に残したと言うのだろうか。
21:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/28(水) 18:17:30.69 ID:Mhqb082T0
ハッとしてわたしは質問をした。
「あの、すいません。お名前をうかがってなかったのですがよろしければ聞いてもいいですか?」
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