過去ログ - 京太郎「どうも、貴女のKYOです☆」咲「ドンペリもう一本♪」
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31: ◆pVFxOJxdKw[saga]
2016/09/29(木) 16:37:02.80 ID:82iicChY0
大学近くにある喫茶店アルプス、洒落た店構えで学生にも人気がある場所だ
俺たちはそこにいる、だが実は二人きりなんて甘いお話ではない

「ご注文は何にいたしますか?」

「ホットコーヒーをお願いします」

「んじゃ私も同じので」

「……アイスココアを」

俺の注文を聞いた今回の同席者は途端に噴き出した

「この流れでアイスココア……ぷふぅッ!」

「あ、憧……笑うところじゃないですよ」

人の注文を笑うとはいい度胸だ……まぁ、確かに空気読めてなかったかもしれんけど
その同席者の正体は先ほど話題に出た新子憧だ
理由はわからんが、いつもと変わり映えないメンツである

「冷たくてまったり甘いものが飲みたい気分だったんだよ……それより和、俺とこいつにどんな相談なんだ?」

「え、えっと……ウチの大学に元は麻雀のサークルがあったことはご存知ですよね?」

「ん、ああまぁな」

実は俺たちが来た大学にあった麻雀サークルは、俺らが入学する前に解散してしまっておりもう存在していない
この麻雀が流行ってるご時勢で解散するってことはよっぽどの理由があったんだろうが、俺達には知りえない話だ
それでその関連での相談ってことは……

「けど私も和も麻雀がやりたいって気持ちが強いからさ、ここは新たにサークルを立ち上げちゃおうって話になったわけ」

「あっ、そっちはもう知ってるというか最初から関わってるんだな」

「途中から誘われたレベルのアンタとあたしじゃ、和との縁の年季が違うのよ年季がね!」

「こほん……それでそのメンバーの一人として、須賀君に来てほしいなと」

「oh……」

……なんてことだ、なんてことだ……(大事なことなので2回)
大学に入ってからは和とのこと以外特に決めてなかった俺は、サークルかバイトかとちょいと悩んでいた
まぁつい最近知った実家の事情から、学生でもやり方次第では稼げるホストになることを選んだわけだが……!
ホストなんかやってたらサークル参加してる余裕なんてないじゃん!(ないじゃん!)
もし父さんの失業がなければ、今頃美少女二人と麻雀サークルで青春を謳歌する虹色大学ライフだったってことじゃないか!
ちくしょう、運命様はバカだぁ……

「……悪い、実は家庭の事情で働かなくちゃいけなくなって」

「えっ……」

「ちょっ、このタイミングで!?」

「もう働き先も決まってて、たぶんサークルに参加出来るほど余裕ある仕事でもないからさ……すんげぇ嬉しいお誘いだったんだけど、さ……」

うっわぁ!ヤバイくらい後ろ髪引かれる!和が明らかに予想してなかったのかショック受けてるし、憧が焦ってるし!
でも俺が稼がなきゃ、大学生活はもとより家族のことも不安なんだ!ゴメン!

「……そう、でしたか……もしかして昨日の疲れた様子は……?」

「ああ、仕事探しであっちこっち回ってたから……あの後決まったわけだけども」

「間、悪すぎ……」

ですよね、俺もそう思うよ本当に
それからはしばらく揃ってだんまりであり、テーブルに静寂が訪れる
……ふと俺は時間が気になって店の備え付けの時計を見ると、そろそろ帰らないといけない時間だった

「そろそろいかないと……じゃあ、また」

「あっ……」

俺はお代だけ置いて去ろうと立ち上がった、その時突然腕を掴まれる
掴んだのは恐らく和だろう、非常に弱弱しく手が震えている

「……ごめん」

それだけ言って、手を軽く払ってアルプスを出た
何だろう……まるで勇気をだして告白してくれた女の子をフったような気分だった
だが逆に言えばそれほどまでに、あの誘いは俺にとって魅力的だったってことだな


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