35:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:28:15.87 ID:6BNWGd8K0
そして今、俺は三葉と二人で散歩していた。
今日は休日。ちょっと遠出して、森林のある自然公園にやってきた。
三葉の故郷、糸守は自然豊かな所だったから、こういう場所に連れていけば三葉も喜んでくれるかなと思ったんだ。
「自然豊かっていうか、なんにもないだけだよ」
と三葉は自嘲していたが……それでも、どこか安らいだような顔をしていた。
ゆっくり、まったり、三葉と歩く。
時期は秋。枝についている葉は赤や黄に染まり、もしくは落ち、木々は冬を迎える準備をしている。
暑くて騒がしかった夏から、寒くて静かな冬へと移ろっていく。
何でだろう。
もう人生で何十回目の冬なのに、俺は今まで一番ワクワクしている。
三葉とスキーに行く約束をした。二人でお金を溜めてこたつを買う計画を立てている。この前は、鍋を買った。
今年の冬は、たくさん鍋を作ってくれるそうだ。
……三葉がいるだけで、寒い季節でも暖かく過ごせそうだ、身も、そして心も。
紅葉の絨毯を歩きながら、ちょっと詩人チックな事を思ってると、びゅおお……と一瞬、冬将軍が近づいてきてきてる事を予感させる風が吹いた。
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