過去ログ - 瀧「君の、名前は――」
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44:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:36:25.37 ID:6BNWGd8K0
朝、目が覚めると泣いていた。

鏡を見ると、目が真っ赤だった。

そこには、いつもの私。女の子の、中学一年生の、いつもの私だ。
以下略



45:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:37:32.30 ID:6BNWGd8K0
今日は土曜日。

ネットを彷徨ったり、国会図書館に行ったりして、あの事件について調べていた。

しかし、これと言った収穫はなかった。 
以下略



46:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:38:27.08 ID:6BNWGd8K0
次の日の朝。

今日も朝起きたら、泣いていた。

どうやら私は、泣いちゃうくらい、彼の事が……その、アレらしい。
以下略



47:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:39:37.36 ID:6BNWGd8K0
……どこに行くの?

靴を履いていると、後ろから声を掛けられた。
振り返ると、そこにはお母さんの姿が。
普段は、この時間なら家族全員寝てるのに……ドタバタしていて、起こしてしまったようだ。
以下略



48:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:40:34.93 ID:6BNWGd8K0
……うん、やっぱり、よく似合うわ。いつかあなたにあげようと思ってたんだけど、つい渡しそびれちゃってて。

鏡の前に立って、自分の髪型を見る。
お母さんの言うとおり、我ながら良く似合っていた。

以下略



49:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:41:47.78 ID:6BNWGd8K0
この子、友達とネズミーランドに行くんですって。

お母さんが私の代わりに説明してくれる。

そうか……気をつけて行くんだぞ、お前は超絶に可愛いからな。変な男にナンパされそうになったら、すぐお父さんを呼べ。すっ飛んでく。
以下略



50:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:42:55.83 ID:6BNWGd8K0
新幹線に乗って、電車を乗り継いて、タクシーに乗って、彼の住んでいた村の近くへ。

人通りは全くない。

スマホの電波も殆ど入ってこない。
以下略



51:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:43:50.97 ID:6BNWGd8K0
……もし、私に出会ったら、彼はどんな顔をするのかな。

私が彼の名前を呼んだら、彼はどんな表情をするのかな。

笑うかな、照れるかな、それとも照れ隠しに、何しにきたこの貧乳女! とでも言うのかな。
以下略



52:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:44:37.66 ID:6BNWGd8K0
……もし、彼に出会ったら、私はどんな顔をするのかな。

笑うかな、照れるかな、もしかしたら泣いてしまうかもしれない。

そのまっすぐで大きな瞳に見つめられたら、私はどんな気持ちになるんだろう。
以下略



53:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:45:49.78 ID:6BNWGd8K0
こんなに走ったのはいつ以来だろうか。

「はぁはぁはぁ……!!」

走る。走る。ただ走る。
以下略



54:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:46:55.09 ID:6BNWGd8K0
そう伝えられた時の感動を、俺は一生忘れないだろう。

「そう、か……そうか……そうかぁぁ……」

俺達の子供。俺たちの赤ちゃん。
以下略



55:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:48:08.24 ID:6BNWGd8K0
そう言って、俺は三葉を抱きしめた。

出産直後だから、そんなに強くは抱きしめられなかったけど。

……三葉が妊娠してからというもの、俺はありとあらゆる家事はやれるだけやったし、ともかく三葉が元気にかつ健康に赤ちゃんを産めるように気を使ったつもりだが、それでも出産時の痛み、疲労はどうしても肩代わりできないものだから。
以下略



56:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:49:28.04 ID:6BNWGd8K0
そう言って二人で笑ったあと、三葉が愛おしそうに、赤ちゃんの頭を撫でた。

その表情は、穏やかで安らかで……そんな表情の三葉を、俺は見たことがなかった。

……三葉の事は知り尽くしたと思っていた俺だが、まだまだ知らない三葉がいるようだった。
以下略



57:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:50:52.38 ID:6BNWGd8K0
「ありがとう瀧君……それでさ、この子の名前、どうしよっか?」
「あー……どうしようか、本当に」

二人で困ったように笑う。
 
以下略



58:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:51:41.37 ID:6BNWGd8K0

「……いい名前」


それを聞くと、三葉は心の底からそう思っていてくれるであろう表情で、そう言った。
以下略



59:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:52:36.62 ID:6BNWGd8K0
三葉が赤ちゃんに向かって微笑みながらそう言う。
 
俺は赤ちゃんを見つめる。
 
……俺が考えた名前。
以下略



60:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:55:09.10 ID:6BNWGd8K0
これで終わりです。
君の名は。が素晴らしすぎて、つい作ってしまいました。
楽しんでもらえたら嬉しいです。
ありがとうございました。


61:名無しNIPPER[sage]
2016/10/04(火) 23:53:19.21 ID:5Yi6S115o



62:名無しNIPPER[sage]
2016/10/05(水) 02:31:01.41 ID:WgMLqz3Lo
おつ


63:名無しNIPPER[sage]
2016/10/05(水) 03:04:44.11 ID:ovFNyY++O
乙です
いい内容だった



64:名無しNIPPER[sage]
2016/10/05(水) 23:29:53.69 ID:msu9hvkDO
続かないのか…


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