過去ログ - 瀧「君の、名前は――」
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47:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:39:37.36 ID:6BNWGd8K0
……どこに行くの?

靴を履いていると、後ろから声を掛けられた。
振り返ると、そこにはお母さんの姿が。
普段は、この時間なら家族全員寝てるのに……ドタバタしていて、起こしてしまったようだ。

ちょ、ちょっと友達と、ネズミーランドに行ってきます。

……我ながら、誤魔化しが下手だ、と思った。
声も震えているし、今の私の雰囲気だって、とてもネズミーランドに行くようなものじゃあないだろうし……

でもお母さんは、そう、と一つ笑って、朝ご飯はいいの? 元気がなきゃ、何も出来ないわよ、と柔らかな口調で聞いてきた。

……私がネズミーランドに行かないであろう事は察しているのだろうけど、何も聞いてこないお母さんの優しさに感謝した。

うん、大丈夫。適当に食べていくから。

……そう、気をつけて行くのよ。

そう言って、私の頭を軽く撫でると、優しく微笑んだ。

……身内びいきかも知れないけど。

こんなに優しく、美しく微笑むお母さんと結婚出来たお父さんは、世界一の幸せ者かもね、と思った。

……あっ、そうだ。ちょっと待っててね。

……?

お母さんは一回居間に引っ込むと、何か赤い紐のようなものを持ってきた。

これ、組紐って言うの……きっとあなたに似合うわ。

そう言うと、私の髪をその紐で結び始めた。
手慣れた感じであっという間に私の髪を結ぶと、最後にそっと一撫でして、髪を整えてくれた。


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