過去ログ - 芳乃「黄昏の帰り道を、そなたと二人で」
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◆6QdCQg5S.DlH
[saga]
2016/10/04(火) 20:32:02.61 ID:X90mnw8p0
また歩を進め、ふと空を見上げると小さく光る星が見えましてー。
「そなたーそなたー、あの星はなんでしてー?」
「あ、もう一番星が出てるのか。えっと……あの星は――あ」
わたくしが指差した星の傍を一筋の光が駆け抜けていきましてー。
「流れ星でしてー」
「お、芳乃も見えたか」
「見えましてー。三度願うことはかなわずでしたがー」
「あー、それは残念だなー」
「ふむむー……次こそはー」
……とは言ったもののー、わたくしには願うことはありませぬー。
……いえ、正確に言えば願わなくてもいいのでしてー。
なぜならば――
「……どした、じっと俺の顔を見て?」
「いえ、なんでもありませぬー……ふふふー」
――今この時、願いなど何もないほど幸せであるゆえー。
そなたの隣に手と手を重ねて並び立てる、今がー。
なんてー、えへへー。
おしまい
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