8: ◆9HQtX1uR2o[saga]
2016/10/04(火) 23:03:01.15 ID:7ab73rSh0
「あっ。ホントだ。……と、時子様……すみません……」
手帳に記された予定を認めたのだろう、豚は私の膝元へ駆け寄ってくる。
その様子があまりにも惨めで情けなかったので、「謝罪の言葉を口にするくらいなら行動で示しなさいよ、家畜風情が」と罵ってあげた。
そもそも、今回のようなことは初めてじゃない。
この豚、私の下僕なはずが、頻繁に私のスケジュールを忘れる。法子の予定は完璧に記憶しているくせに。
どういう神経をしているのか。
「貴方、やる気あるの? どれだけ腑抜ければ気が済むのかしら、この愚図。働けない豚はチャーシューにするわよ」
そう言ってやると、豚は「すみません、時子様」と立ち上がり、
「悪いな、法子。というわけだから、今日は時子様の踏み台として――」
「そういう意味で言ってんじゃないのよっ! クソ豚っ!」
鞭を振るうと、豚は嬉しそうに「ごめんなさい叱って下さい」と喚く。その後ろで法子が苦笑している。
「あはは、時子さん。あたしのことは気にしないで良いから」
そういう意味でもないわ、とばかりに睨んでやると、法子は笑顔を強くする。なに? この子も豚の一種なの?
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