過去ログ - 【艦これ】エラーねこのなく頃に 艦こまし編
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99: ◆KFFL7SRdLI[saga]
2017/01/13(金) 22:43:34.14 ID:jEIiQrMj0
「す、すごいですっ。あの提督相手にあんなに堂々と……!」
「フフフ、やっぱりね。流石は鉄壁にして絶壁の女・大淀。仕事モードのあの娘に色恋の類がつけ入る隙はないわ。ま、人目のない二人きりの時はもうちょっと違うのかもしれないけど」

ともかく、これで大丈夫でしょ。と力強く頷く足柄。

以下略



100: ◆KFFL7SRdLI[saga]
2017/01/13(金) 22:45:10.56 ID:jEIiQrMj0

内心で自分の戦友をそう評して、ようやく訪れたつかの間の平穏に足柄はホッと安堵の息を零した。

だが、彼女は失念していた。
今日の提督の猛威がこの程度で済むわけがないのだということを。
以下略



101: ◆KFFL7SRdLI[saga]
2017/01/13(金) 22:46:37.18 ID:jEIiQrMj0

提督に呼び止められ小首を傾げる大淀。
その彼女にそっと近づき、提督は彼女の眼鏡を取り上げた。

「え……あの、提督?」
以下略



102: ◆KFFL7SRdLI[saga]
2017/01/13(金) 22:47:56.00 ID:jEIiQrMj0
頬を赤らめ慌てて眼鏡を取り返そうとする大淀を片手で制し、提督は制服の胸ポケットからハンカチを取り出した。
それから眼鏡を拭き始めた提督を前に、大淀も項垂れてしまった。

(おや? なんだかイヤな予感が……)

以下略



103: ◆KFFL7SRdLI[saga]
2017/01/13(金) 22:50:12.03 ID:jEIiQrMj0
手元の眼鏡から視線を外して大淀の顔をジッと見つめ、提督は眉根をわずかにひそめた。

「どうやら、またお前に無理をさせてしまっているようだな」
「いえそんな。無理なんて私は――」
「今のお前が何を言っても説得力が足りないな。眼鏡のこともそうだが、なにより顔に疲れの色が出ている。ちゃんと休んでるのか?」
以下略



104: ◆KFFL7SRdLI[saga]
2017/01/13(金) 22:54:03.47 ID:jEIiQrMj0
苦笑いする大淀。
対して提督は、拭き終わった眼鏡を天井の明かりにかざし、汚れのチェックをしている。

「それでも提督、私はこの鎮守府の管理運用の補佐に携わる身として――提督のお側に控える者として、職務には全力で当たりたいと思っているんです。特に今は大規模作戦の後処理や大本営の査察の事もありますし、多少の無理は見過ごしていただければ幸いです。もちろん提督や艦隊の皆さんにご迷惑はおかけしません」
「……まあ、そう言うだろうとは思ったよ。本当にそういうところは固いなお前」
以下略



105: ◆KFFL7SRdLI[saga]
2017/01/13(金) 22:56:52.91 ID:jEIiQrMj0

溜め息を一つ吐き、かざしていた眼鏡を下ろして、提督は大淀に優しく微笑みかけた。

「だからな、大淀。俺はお前に無理をするなとはあえて言わない。むしろ気の済むままやってよしと言おう。だが、その無理に対する報奨を俺にちゃんと払わせてほしい」
「? 提督、それはどういう――」
以下略



106: ◆KFFL7SRdLI[saga]
2017/01/13(金) 22:59:14.27 ID:jEIiQrMj0

父親が幼い娘にするような、あるいは男が恋人にするような――そんな優しい抱擁。

いつも通りの視界に大淀の目が慣れるのと同時に、彼女の周囲が一斉に息を呑んで硬直する。

以下略



107: ◆KFFL7SRdLI[saga]
2017/01/13(金) 23:03:08.76 ID:jEIiQrMj0
それはまるで、夜の海の波に紛れて走る酸素魚雷のように、静かにドッスリと大淀に突き刺さっただろう。


『あ"ま"ぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!?』

以下略



108: ◆KFFL7SRdLI[saga]
2017/01/13(金) 23:04:22.71 ID:jEIiQrMj0

この場にいる艦娘全員の視線の先。提督は抱きしめていた大淀をすでに離しており、対する大淀は顔を俯かせている。

そして彼女は、おもむろにその顔を上げて――

以下略



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