過去ログ - モバP「橘ありすとだらだらだら」
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32:名無しNIPPER[saga]
2016/10/16(日) 21:14:34.80 ID:Yk7/J5Eno
◇
てきぱきと服装を整えたありすは帰り支度を整える。
「見送りは不要です」
俺が口を開こうとした矢先、ありすは先手を打ってきた。
「さよか」
「はい」
ありすは玄関でこつこつと靴のつま先を打つと満足気に息を吐く。
「貴方は――」
「ん?」
ありすは途中まで言いかけて、言葉を止める。
少しだけ躊躇うような間。
そして、ありすは再び口を開いた。
「貴方は、うん。ふ菓子みたいな人でいればいいと思います。そうしたらわたしがきちんと迎えに行ってあげます」
「日焼けサロンに通ってもあそこまで黒くはなれんわ」
なぜか俺の言葉にくっくと小さくお腹を抱えて笑うありす。
「ふふっ、そうですね」
ありすは俺に背を向けて玄関のドアに手を掛ける。
ドアがゆっくりと開いていく。
「ありす」
その背中に、特になにも考えていなかったが、声を掛けた。
「……はい?」
半ば開いたドアを片手で支えながらありすは応える。
「また明日」
ありすは一瞬、きょとんとした目をした。
そして、優しい微笑みを浮かべてから、くるりと半回転。
ドアを背中で支えながら、俺を正面に見据えて言った。
「また明日っ!」
明日も騒々しく、楽しい日でありますように。
◇
モバP「橘ありすとだらだらだら」 END
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