過去ログ - モバP「橘ありすとだらだらだら」
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9:名無しNIPPER[saga]
2016/10/11(火) 21:07:54.90 ID:v8ztA6Oko
 ◇

「おのれ、マセガキめ」」

布団に突っ込んだ頭を引っこ抜く。
もはや眠気などどこかに忘れてきてしまったかのようだ。

ぐぬぬ……。

「マセガキじゃないです、橘です」
「おのれ、橘め」
「……やっぱり、ありすでいいです」
「おのれ、ありすめ」
「……あなたの、ありすです」

唐突な超展開に戸惑いを隠せない。
だが、ここで狼狽えるのは三流である。

「……俺のありすめ」
「……この子があなたの、娘です」

なんか、いつの間にか結婚してるぞ、俺。
しかも子持ち。

「おのれ……じゃなくて、おれの、ありすめ……いや、むすめ」

止まらない超展開に思わず噛みそうなる。
そこで、ありすは唐突に俯き、表情に影を作る。

「……あなたの、ありすでした。……さようなら。貴方と居た時間は楽しかったです……」

ありすは俺の水玉の柄の枕を引きずり……いや、俺の娘の手を取り、俺に背中を向けて歩き出した。俺の居ない、道を違えた明日へと向かって。
嗚呼、行かないでくれ愛しい我が妻、我が娘よ……。

伸ばした掌は行き先を失い、力なく床を掴んだ。



……。
…………。
………………。



「……なぁ、さっきの茶番、本当に楽しかったか?」
「わりと」

やたらと精神的に疲れた俺と違い、ありすは結構満足気だった。
なんでじゃ。

 ◇


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