過去ログ - 高垣楓「夢と現を、月見で一杯」
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11: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/21(金) 06:26:18.56 ID:KNNRsk+y0

 そうして右手を突き出したまま、再び楓が、その場にくしゃりとしゃがみ込む。

 ――……秋の夜長にじりじりと、虫の声を背景に行われた静かな睨み合いの末、先に折れたのはプロデューサーの方だった。

「……小さいのを、三本までなら」

「やった!」

 彼の立てた三本の指を見るなり、ぴょこんと勢いよく立ち上がり、
 今にも小躍りしそうな笑顔になって胸元で可愛らしく手を合わす楓の姿に、プロデューサーが大きく深くため息をつく。

 ……この人は本当に、これで二十五にもなる大人の女性なんだろうか?

「どうしましたー? 早く来ないと、置いてっちゃいますよー」

 プロデューサーがそんなことを考えていると、いつの間にか先を歩き始めていた楓が、くるりと振り返って彼の名前を呼んだ。


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