62: ◆HACkWQpQbk[saga]
2016/10/22(土) 17:27:19.68 ID:1dmR7XxL0
先の廊下に戻って別の部屋へ入るとまた階段がある。
どうもこの城は階段ばかりで気が滅入る。もっとも他の城の構造も禄に知らないからみんな似たようなものなのかも知れぬ。
階段を降りるとその階だけ光が一切なく、全く闇に閉ざされていたので驚いた。
窓があって蝋燭もかかっているのに闇とは実に不思議だったが、夜に建物の中――殊に人の住まない廃墟であれば猶更――へ赴けば目盲になるのは当然である。
松明を用意しなかった迂闊を後悔したがもう遅い。先ほど奮い立たせたばかりの勇気が縮こまってしまいそうになる。
ビアンカは早くも萎えた様子で顔を緊張させているから手を握ってやった。
手探りで進む内に階段を見つけたので急いで下へ降りた。
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