過去ログ - 【ペルソナ5 奥村春SS】春のまにまに
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79:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:48:08.82 ID:sIrnBUYZo
 なんと言っていいかわからず立ち往生する私を見て、おじ様は諦めたようにため息を吐いた。それから彼に睨むような視線を送り、

「お前な……。責任は取れよ」

 と呟いた。彼は、
以下略



80:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:49:11.56 ID:sIrnBUYZo
 そしてもはや急いで帰る必要もなくなった私は、申し訳なさと恥ずかしさから俯き加減にそう答えるのだった。



 彼と二人でおじ様のコーヒーを待つ時間は、控え目に言っても幸せそのものだった。
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81:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:49:42.51 ID:sIrnBUYZo
 お世辞ではない私の絶賛を聞いて、おじ様は少し照れ臭そうに頭を掻いた。

「こいつのとどっちが旨かった? 飲んだだろ?」

 昨晩のコーヒーを思い返しながら彼に目をやると、「正直に言っていい」と私を促した。
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82:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:50:33.57 ID:sIrnBUYZo
 また思っていたことがそのまま口から漏れた。問題のある発言ではないけれど、昨日もあったし気を付けないと……。

「はは。ありがとよ」

「春さえよければいつでも来るといい」
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83:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:51:08.59 ID:sIrnBUYZo
「朝飯も食ってきな、すぐ用意するから」

「あ、え? 悪いです、そんなの」

「気にすんな。こんな朝から客なんか来やしねえよ」
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84:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:51:59.93 ID:sIrnBUYZo
 朝の陽気な春の陽射しの中、隣には私の好きな人。

 こんなに朗らかな気持ちは随分久しぶりな気がする。でも、スッキリするためにもうひとつ、お店での会話のことを尋ねておかないと。

「あの、簡単にあんなこと言ってよかったの? それともただの冗談だった?」
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85:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:52:36.78 ID:sIrnBUYZo
 なにこれ、禅問答?

 まにまに……Money Money? はっ! もしや彼は私のお金目当て!? ってそんなわけないよね。

「神のまにまに、って聞いたことない?」
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86:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:53:09.90 ID:sIrnBUYZo
「あははっ。君らしいね。……じゃあ、君はそのつもりで、あとは私次第、なんだ」

「そういうこと」

「じゃあ、安心だ。私は変わらないから」
以下略



87:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:54:11.16 ID:sIrnBUYZo
「……何を? あ、いやいい。心に刻んでおく」

「そうしておいてくれると嬉しいな」

 長く続いたキャッチボールのような会話が途切れ、駅に向かってゆっくり歩を進める。
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88:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:54:44.55 ID:sIrnBUYZo
 私の心が問い掛けた、私自身の心。

 あなたは誰を裏切るの?

「心はとうに決まっています」
以下略



89:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:55:56.17 ID:sIrnBUYZo
「うん。君を絶対離さないために、頑張る。だから、見ててね?」

 精一杯の、私が可愛いと思う顔で言ってみた。上手くできてるといいんだけど。

「見てるよ、傍で。これからも、ずっとね」
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