過去ログ - 鷺沢文香「誕生日の思い出について」
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9: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2016/10/27(木) 00:07:40.70 ID:VDWYu6GQ0
* * *
最後のデザートを食べ終え、ようやく一息といったところでプロデューサーさんが鞄から小箱を取り出しました。
「これ、そんなに大したものじゃないんだけどさ。プレゼント」
「何から何まで…なんだかすみません」
「年に一回くらい、ね。それにたまには、かっこいいとこ見せたいの」
「ふふ、ありがとうございます。今日のプロデューサーさんは素敵に映ります」
「今日の、って」
「冗談です、冗談」
雰囲気に酔っているのか、いつもより饒舌な私でした。
「開けてみてよ」
プロデューサーさんに促されるままに私は包装に手をかけます。
丁寧に、包みを剥がし箱を開けると出てきたのは、可愛らしいブローチでした。
「文香に似合うと思って」
「ありがとうございます」
「どういたしまして。喜んでもらえたかな。これでも、ない頭を捻って考えたサプライズプランなんだけど」
「はい。とても」
「そりゃよかった」
「余談では、ありますが」
「何。どうしたの」
「男性が女性に贈るアクセサリーは所有欲の表れ、などと言うそうですよ」
少し、困らせてやろうという私のいたずら心が囁いたので、そんな軽口を言いました。
すると、プロデューサーさんはくすくす笑って、「かもね」なんておっしゃるので、なんだかこちらが恥ずかしくなり耳まで真っ赤に染めあがってしまいました。
まだまだ、私ではプロデューサーさんに勝つことは叶わないようです。
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