過去ログ - 古風な愛 【原著:星新一 ・ ごちうさ訳】
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16: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2016/10/29(土) 18:41:41.09 ID:MgkQzc3L0
チノちゃんはビンから錠剤を出し、手のひらにのせた。また、わたしの手のひらにも半分をのせてくれた。
彼女はためらうことなく薬を口にいれ、目をつぶってコップの水を飲んだ。


そのあいだに、わたしは薬をポケットに移し、水だけを飲んだ。
このことは何回も練習してきたため、うまくできた。
少しぐらいうまくいかなくても、わたしを信じ切っているチノちゃんは疑わなかっただろう。


チノちゃんはゆっくりと目を開き、まっすぐにわたしを見つめた。
すばらしい目だった。
すみきった、美しい、幸福感にみちた目だった。
わたしにはとても正視できなかったが、全身の力をふりしぼってそれをやった。
とても長い時間が流れた。


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