16: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:47:38.92 ID:JntGMmXe0
「あの・・・明石さん」
「ん?」
「その・・・昨日は・・・」
「ああ、大丈夫。気にしてないよ」
そう言って、明石は足早に会社に戻ってしまった。
霰が会社につく頃には、すでに仕事を始めていた。その姿は、以前の明石に戻ったよう。
どこか張りのない一日を過ごし、霰は仕事を終え、帰路につく。そして、今度は大潮との溝が待っている。
「おかえり」
「ただいま・・・」
心ここにあらずで、ぼうっとしている大潮。目の前の霰は、そこにいながら、大潮の心には写っていない。
夕食をサッと済まし、大潮はアルバムを開く。
同じページを何度もめくり、ぶつぶつと独り言を呟く。
この写真を取ったのは、朝潮姉さんか、私か。
写真が抜けているのは、朝潮姉さんが抜いたせいか、私が適当に入れたからか。
自問自答しながら、分からないことを増やしていく。
そんな大潮を心配に思いながらも、話しかけられない霰は、大潮の後ろで、静かに眠りについた。
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