過去ログ - お役に立てたのなら【艦これ】
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22: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:52:31.87 ID:JntGMmXe0
ゆっくりと確かになっていく意識.

瞼を通過する光さえ眩しく,私は,ゆっくりと,目を開けた.

ぼんやりとした視界が段々とはっきりし,目の前に人が立っているのがわかる.

「ようこそ鎮守府へ.私は君を歓迎する」

目に入ったのは,その人の白い服,帽子.

私はとっさに,本能的に,言葉を発した.

「駆逐艦朝潮.着任しました! 以後,よろしくお願いします!」

私は目の前の司令官に最敬礼をすると,司令官は優しく微笑み,

司令官が直々に,私を部屋に案内してくれた.

部屋に向かう途中,司令官は私について,話をしてくれた.

「君は,我が海軍が新たに計画した朝潮型駆逐艦の一番艦だ.

未定だが,まあ,5人は,君に妹ができるだろう.

長女として,妹を支えてやってくれ」

「はい!」

私が返事をすると,司令官はまた,優しく微笑んでくれる.

鎮守府に着任し,これから始まることは知っている.それは艦娘の誇りであり,同時に,純粋に怖いもの.

しかし,この司令官の元でなら,安心して,私はこの使命を尽くすことができるように思った.

案内された部屋は,一人で使うには広すぎる部屋だ.妹ができたら,相部屋になると司令官は言っていた.

この部屋が妹で狭くなっていく様子を想像すると,どこか,嬉しい気持ちになった.

制服や布団などの日用品を揃えると,その日から,私の学習,訓練が始まる.

深海棲艦という敵を倒すために生み出された私達艦娘.

日々学び,自分の練度を高めなくてはならない.さもないと,すぐに死んでしまうのだろう.

この鎮守府で沈んだ人はいないと聞いたが,私が一番になるかもしれない.そう考えると,無性に怖くなった.

先輩は時に優しく,そして時に非常に厳しく,私を指導してくれる.

初めて前線に出て小破した時,叱るよりも私の無事を喜んでくれた.

暖かい先輩と同期の人に恵まれ,厳しい戦争の中にも,私は心が満たされていた.

***


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