過去ログ - 京子「忘れられないキスが欲しい」
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6:名無しNIPPER[saga]
2016/11/04(金) 20:43:53.18 ID:MnhhpV2E0
「っあ……」
結衣の吐息が顔全体にふわっとかかって……熱い。緊張してるのか、それとも気に留めていないだけで普段からこんななのだろうか。たまらず私の吐息も熱を帯びる。
結衣が上から見下ろして、私が下から見上げる構図。いつもそうだ。幼い時から、結衣は私より背が高かった。私はその背中にひっついて、いじめっ子から守ってもらっていた。
こうして見上げると、見惚れるくらいに整った顔が迫ってくるようで、私の中の何かが掻き乱されていく。
「ゆ……い?」
「……おでこでいいよな?」
違う、違うんです。ほんのちょっとした出来心なんです。本気でキスするつもりなんて実はなくて……
「……っ」
一言、そう言えばいいだけなのに。
冗談だよって言って笑えばいいだけなのに。
口からは熱気を帯びた吐息しか出てこない。
ばかだ。私、期待しちゃってる。これから起こること……結衣にされることを。
……だめだ、このままじゃ。
ちゃんと言わなきゃ。
結衣に伝えなきゃ。
こうなったら無理やりにでも声を出そうと、大きく息を吸うために口を開き、そして―――
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