8: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:12:37.16 ID:YWnjs67B0
「…………島村さん、今からあの時のオーディションでの評価をお話しします、本来はあまり言うべきことではないのですが、私の独断です。島村さんにとって辛いこともあるかもしれません、それでも聞いてもらいたい」
「…………」
「まず技能です、どの分野も平均以上で特出した分野はなし。大きな欠点もないが大きなアピールポイントもなし」
9: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:13:15.50 ID:YWnjs67B0
「島村さんは歌う時も、踊る時も、オーディションとは関係のない待っている時ですら自然な『笑顔』がありました。私にとってアイドルとは人々を『笑顔』に出来る人のこと……自らが素敵な『笑顔』を見せられるこの子ならきっと素晴らしいアイドルになれる、私はそう思いました」
「笑顔……」
10: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:14:09.18 ID:YWnjs67B0
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「しまむー!いるー?」
11: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:15:05.15 ID:YWnjs67B0
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CGプロに加わってから1ヶ月、私の生活は急激に変わった。
これまでは養成所でレッスンを受けるのがメインだったのに、レッスンは空いた時間に、それ以外の時間は『アイドル』としての時間になった。
先輩アイドルの撮影の見学、裏方の勉強、あるいは小さな会場での前座。
12: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:15:57.46 ID:YWnjs67B0
ライブが終わってからも、高翌揚感が収まらなかった。
自分のライブではない、お客さんが見ていたのは島村卯月ではなく城ヶ崎美嘉、それはわかっていた。
それでも、楽しかった。
13: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:16:26.03 ID:YWnjs67B0
あれから2ヶ月、CGプロに入って半年が経ったことになる。
とうとう、私、島村卯月はCDデビューをすることになった。
「作詞を……私に?」
14: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:16:59.65 ID:YWnjs67B0
何を歌詞に書けばいいか、全くわからなかった。
ずっとモヤモヤとしていた時声をかけられた。
「卯月ちゃん」
15: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:17:26.82 ID:YWnjs67B0
3日後、書き終えた歌詞をプロデューサーさんに渡した。
「ん、じゃあ作曲家さんに渡しておくな」
「えっと、確認とかはしないんですか?」
16: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:18:15.87 ID:YWnjs67B0
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「あら?凛と未央もいたのね」
17: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:19:12.12 ID:YWnjs67B0
このソロステージはその年のシンデレラガール……つまり1位に選ばれたアイドルしか立つことができない。
だから私は、立つことのできなかったみんなの分まで頑張って歌おう、託された思いを胸にここまで来たんだって。
「卯月、そろそろ時間だ……って、みんな集まってたのか」
18: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:19:44.83 ID:YWnjs67B0
ステージの上から見える景色は、今までのどんな景色よりもキラキラして見えた。
ここに立てたのは、みんなのおかげ。
プロデューサーさん
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