67:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 23:32:21.17 ID:E325IWUR0
憂「子供の頃からずっと一緒にいてさ、どんなときもそばにいて、とってもたのしくて、しあわせなのに、
ずっとこのままでいたい、って思ってるのに、いつか別々になっちゃうのが“普通”なんてね」
一段下のところで身体を横たえた憂の表情はわからない。
暗闇にひとつひとつ言葉が浮かんでは、消えていく。
68:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 23:34:46.45 ID:E325IWUR0
憂「当たり前のことなんだよ。普通のことなの。
いつかおねえちゃんにわたし以外に好きな人ができるなんて。
むしろおめでたいことなんだよ。わかってるんだ。
それが梓ちゃんで、わたし、すごくうれしい。ううん。うそじゃない、うそじゃないよ。本当だよ? ほんとうのほんとう。
69:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 23:43:00.06 ID:E325IWUR0
寝ちゃったのかな。
わたしは、というとすっかり目が冴えてしまって(さっきまで寝てたせいもあるかもしれない)、ちっとも寝付けやしなかった。
70:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 23:43:32.41 ID:E325IWUR0
窓の外からはりんりんと、虫の音が聴こえる。
額を流れる汗を拭う。前髪が張り付いて気色悪い。
瞼を閉じた憂は、静かに寝息を立てていた。
71:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 23:44:22.64 ID:E325IWUR0
ブイーンブイーン
72:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 23:45:36.14 ID:E325IWUR0
17歳になって、はじめての夜。
半分に満たない月が空に浮かんでいる。
秋の夜の冷気が肌を刺す。
73:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 23:49:21.40 ID:E325IWUR0
松ヶ崎の橋を渡り終えると、踏切の向こうにコンビニの明かりが見えた。
あそこでなにかおかしとあったかいものでも買って、帰ろうか。
憂「梓ちゃん。ひとつお願いがあるの」
74:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 23:49:50.73 ID:E325IWUR0
梓「そんなこと…じゃあ憂はどうするの?」
憂「わたしは…朝が来るまで外にいる。散歩してる」
梓「バカなこと言わないでよ、カゼひくよ」
75:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 23:50:40.30 ID:E325IWUR0
梓「……わたし、帰らないからね。憂と一緒にそこのコンビニに行って、おかしとホットミルクティー買うまでは」
憂「じゃあ、コンビニまで一緒にいくよ。そのあとはひとりで帰って」
梓「ヤダ」
76:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 23:51:17.98 ID:E325IWUR0
梓「ヤなの…憂がわたしのこと…わたしと唯先輩のことにちゃんと納得してくれてないのが、すっごくヤなの。
だから……勝つとか負けるとか…そういう風に言うのは違うかもだけど…ちゃんと認めてもらいたい」
憂「…………」
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