過去ログ - 【ペルソナ5】死がふたりを分かつまで【佐倉双葉SS】
1- 20
43:名無しNIPPER[saga]
2016/11/12(土) 06:33:19.24 ID:H7UNpSmB0


「法制度に従う以上、仕方のないことだがな」

言葉とは裏腹に、佐倉の表情には行き場の無い憤りが滲んでいる。
真とてそれは同じだ。
刑事を志し、姉の仕事ぶりを見てきた彼女には法制度による束縛も、検事や警察がどれほど体面に拘る組織であるのかも理解していた。
けれども理解と納得は別物だ。
そもそも、「彼」 ―― 暁の足枷になり続ける「前科」そのものがありもしない罪なのだ。

(どこまで彼は…)

血が出そうな程強く唇を噛み締める。
正義感に従い助けた女に裏切られ、無実の罪を着せられ。
仲間を救う為に囮役を担い、警察に捕まり理不尽な暴力を受け、死の危険にまで曝された。
偽りの神の勝手な都合で苦難を背負わされ、常に命を賭けつづけてきた。

そして、今度は仲間を救うために一人犠牲となる道を選んだ。

真は口惜しさに歯噛みする。
自分の身を顧みない暁に、そんな暁に助けられてばかりの自分たちに。

ふと、真は隣に座る双葉が一言も言葉を発していないことに気付いた。

「双葉?」

俯いた双葉の肩が震えていた。





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
223Res/220.56 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice