11: ◆XUWJiU1Fxs
2016/11/16(水) 00:14:02.34 ID:JEvkc/8yo
「奈緒の方は、どんな夢を持っていたんだよ」
「憶えているけど……ダメだ、絶対に言わないからな!」
12: ◆XUWJiU1Fxs
2016/11/16(水) 00:14:39.72 ID:JEvkc/8yo
「わ、悪いか!? 魔法少女になりたいなんて夢を持ってて悪いか!?」
「いや、誰もそんなことは言ってないだろ!」
13: ◆XUWJiU1Fxs
2016/11/16(水) 00:15:07.88 ID:JEvkc/8yo
自然公園に着く頃にはカミさんもすっかり上機嫌になっていた。着く前に買ってあげた焼き芋が美味しかったというのもあるかもしれないけど。
「こうやって見ると壮観だなあ。落ち葉の絨毯ってやつ?」
カミさんが言うように、落ち葉にあふれた場所はふかふかの絨毯にも見えて暖かそうだ。
14: ◆XUWJiU1Fxs
2016/11/16(水) 00:15:47.74 ID:JEvkc/8yo
「おお、準備がいいこと。でも大丈夫かー? 運動不足の30歳にはちょっと辛いんじゃないの?」
カミさんはラケットを持ってニヤニヤと煽るようなことを言う。確かに30歳で体力も落ちてきているなあってのは身を持って感じてはいるけども。
「むっ、言ってくれるじゃないか。これでも高校時代はテニス部だったんだぞ」
15: ◆XUWJiU1Fxs
2016/11/16(水) 00:17:01.37 ID:JEvkc/8yo
「ま、負けました……」
「おいおい、大丈夫かぁ? 息も切れ切れだぞ?」
16: ◆XUWJiU1Fxs
2016/11/16(水) 00:17:52.52 ID:JEvkc/8yo
カミさんに言われるままに落ち葉の絨毯に寝転がる。思っていたよりもふかふかして気持ちがいい。ぎゅっぎゅっと背中に感じるカミさんの重みが硬くなっている体を解していく。
「んっ……」
17: ◆XUWJiU1Fxs
2016/11/16(水) 00:18:21.19 ID:JEvkc/8yo
そんなこともあったなあ、と笑いながら時間はのんびりと過ぎていく。カミさんのマッサージのおかげで体も少し楽になった気がする。時計を見ると12時を回っていて、お腹もいい具合にすいてきた。
「今日はピクニックだからな」
とカミさんが開けたお弁当箱にはまん丸なおにぎりに卵焼き、タコさんウインナー、からあげ、フルーツ……。
18: ◆XUWJiU1Fxs
2016/11/16(水) 00:18:53.91 ID:JEvkc/8yo
朗らかな陽気に包まれて食べるお弁当はどんな高級料理よりも美味しく感じる。それもこれも、作ったのがカミさんで一緒に食べているからこそなんだろうな。
「こうやってお昼を一緒に食べるのも、久しぶりだよなー」
「そうだなぁ。休みなんて殆どなかったから」
19: ◆XUWJiU1Fxs
2016/11/16(水) 00:19:31.61 ID:JEvkc/8yo
「ふぁあ……寝てたのか」
「奥さん残して寝ちゃって、薄情な旦那様だぜ」
20: ◆XUWJiU1Fxs
2016/11/16(水) 00:21:47.52 ID:JEvkc/8yo
「でもその方があたし達らしくないか?」
「それもそうか」
21: ◆XUWJiU1Fxs
2016/11/16(水) 00:22:16.61 ID:JEvkc/8yo
以上になります。お付き合いいただいた方ありがとうございました。それでは失礼いたします。
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