2: ◆ULuwYLs/ds[sage]
2016/11/18(金) 17:26:03.11 ID:dvELRCvvo
日本に三日三晩滞在していた台風が、夏の蒸し暑さを引き連れて出ていってしまった。
真上に昇るお日様の光は暖かいのに、風は冷たくツンと頬を刺してしまい、私のそばをすぐに通り抜けてしまうから少し寂しく感じてしまう。
3: ◆ULuwYLs/ds[sage]
2016/11/18(金) 17:34:47.82 ID:dvELRCvvo
ゆっくりと歩きながら周りを見渡せば、風で飛ばされてしまった葉っぱが冷たいコンクリートの上でカサカサと音を鳴らしている。木々にしがみついて残っている葉ももう少ししたら色づいていくのかな。
台風が吹き荒れていた間、私たちは寮の中で安静にしておくように言われていた。
4: ◆ULuwYLs/ds[sage]
2016/11/18(金) 17:40:51.52 ID:GyAl+0mHo
だからなのかな。
5: ◆ULuwYLs/ds[sage]
2016/11/18(金) 17:45:49.43 ID:GyAl+0mHo
「おはようございます」
「おう、おはよう。ちゃんと休めたか?」
6: ◆ULuwYLs/ds[sage]
2016/11/18(金) 17:52:29.68 ID:GyAl+0mHo
「台風で中止になったイベントの埋め合わせとかてんてこ舞いだったんだよ」
仕事を理由にされては私がそれ以上何も言えないと分かっているのか、プロデューサーさんはもう一度悪かったと謝ってから私にホットコーヒーが注いであるマグカップを渡す。
7: ◆ULuwYLs/ds[sage]
2016/11/18(金) 17:59:41.77 ID:GyAl+0mHo
「……おいしいです」
「事務所にこもりながらおいしい淹れ方を試行錯誤してたんだ」
8: ◆ULuwYLs/ds[sage]
2016/11/18(金) 18:06:36.01 ID:GyAl+0mHo
「まぁ、その甲斐があって今日はもう仕事がないんだけどな」
「そうなんですか?」
9: ◆ULuwYLs/ds[sage]
2016/11/18(金) 18:15:20.45 ID:GyAl+0mHo
カチカチとマウスをクリックする音が聞こえる。
画面を見つめるプロデューサーさんはいつも以上に真面目な顔で、あごに手をやりながら時々うなったりしていた。
10: ◆ULuwYLs/ds[sage]
2016/11/18(金) 18:22:51.43 ID:GyAl+0mHo
「ごめんなさい。すぐに出る準備をしますから」
私が荷物をまとめようとしていると後ろのほうから呼び止める声が聞こえる。
11: ◆ULuwYLs/ds[sage]
2016/11/18(金) 18:33:03.71 ID:GyAl+0mHo
お散歩っていってもプロデューサーさんの中では目的がしっかりあるみたいで、事務所の最寄りの駅から電車に揺られていく。
変装用の帽子を気持ち、深めにかぶりながら。
12: ◆ULuwYLs/ds[sage]
2016/11/18(金) 18:43:11.63 ID:GyAl+0mHo
「お、そろそろかな?」
車掌さんのアナウンスに耳を傾けながらプロデューサーさんが私の肩を叩く。
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