過去ログ - 【ワールドトリガー】冷見「解散……しちゃうのかな?」【二宮隊の夏】
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24: ◆jPpg5.obl6[age]
2016/11/21(月) 21:51:38.50 ID:UwcgPM0X0
彼の名は、奈良坂透。三輪隊所属のNo.2スナイパーだ。彼と親しくなったのは高校に入ってからだったのだが、最近漸く、彼が巷で言われているような真面目一辺倒な人間ではなく、愉快な面も持ち合わせていることが分かってきた。

もっとも彼自身にその自覚があるのかは依然分からない。



25: ◆jPpg5.obl6[age]
2016/11/21(月) 21:52:30.01 ID:UwcgPM0X0
きつく口止めされてはいたが、今回の降格事件のいきさつを僕は彼にだけ打ち明けた。

透はその端正な顔を空に向け、何かを思案しているようだった。やはり、スナイパーの後輩として、透は透で鳩原先輩に対する思いがあったのかな?なんて考えながらその表情を伺おうとした時ー




26: ◆jPpg5.obl6[age]
2016/11/21(月) 21:53:50.16 ID:UwcgPM0X0
ふと、視線をグラウンドに落とすと、無数の水溜りが五月晴れの太陽を反射してキラキラと輝いていた。彼が跳び箱に敵意を向けているのは、この水捌けの悪いグラウンドにあった。

何の事はない。4時限目の体育の授業が透の好きな持久走から、体育館での跳び箱・マット運動に変わった、ただそれだけのことだった。いつも球技や運動関係が槍玉に上げられるところが、できる文科系男子の透らしかった。



27: ◆jPpg5.obl6[age]
2016/11/21(月) 21:55:42.14 ID:UwcgPM0X0
「また新たな真理に到達したね。でも、そうするとマット運動のコンセプトだって謎じゃない?」

「いや、マット運動には匍匐前進を始め、軍隊の鍛錬には不可欠な移動法や緊急回避の術が多く含まれている」

どうやら不得手の類でも、自らが価値を認めるものについては彼の照準から外れるようだ。
以下略



28: ◆jPpg5.obl6[age]
2016/11/21(月) 21:57:40.98 ID:UwcgPM0X0
「バク転宙返りで緊急回避?」
僕は問う。

「荒船先輩だったら、やるかもしれない。」

以下略



29: ◆jPpg5.obl6[age]
2016/11/21(月) 21:58:51.23 ID:UwcgPM0X0
奈良坂 透

年齢 16歳
誕生日 9月14日
身長 177cm
以下略



30: ◆jPpg5.obl6[sage]
2016/11/27(日) 23:01:39.28 ID:AHy33IyQ0
もう続きないのかな?


31:名無しNIPPER[sage]
2016/11/28(月) 00:12:28.24 ID:6TFuYgY3o
トリバレ…?


32: ◆jPpg5.obl6[age]
2016/12/04(日) 20:57:51.13 ID:UqDxFpci0
その日の放課後、僕は本部基地に向かった。本当は昨日行くべきだったのだけれど、生憎おとといの晩から本当に熱を出してしまった僕は、昨日は一日中ベッドの中で過ごした。




33: ◆jPpg5.obl6[age]
2016/12/04(日) 20:58:46.00 ID:UqDxFpci0
僕は徒然なるままに、二宮隊の作戦室にむかった。両側に開いたドアの先には、もう、先日までの面影を残す物は一つもなかった。その殺伐な迄に物寂しい空間に耐えきれず、僕は部屋の照明を消して、室内に足を踏み入れる。闇の中で僕の瞳は少しずつ、その部屋の姿形を映し出していく。それは幻覚なのか、それとも記憶の投影なのか、あの日の会話、あの日の出来事、あの日の思い出までもが次々と暗闇に映し出されていく。ひゃみさんとはとさんのくすくす笑い、犬飼先輩の笑い声、二宮さんの溜息混じりの苦笑。何も無いこの部屋はしかし、未だ二宮隊の残り香で溢れていた。




34: ◆jPpg5.obl6[age]
2016/12/04(日) 21:00:18.42 ID:UqDxFpci0
ゴゥーン

扉から通路の灯りが漏れこみ、部屋は再びその荒涼とした空間を露わにした。

「辻ちゃん、どうした?」
以下略



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