72:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 19:48:30.58 ID:WwkYnpYs0
73:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 19:49:41.17 ID:WwkYnpYs0
変わらない。
変わることを拒否して、“今この瞬間”の自分の感情を維持し続けしようとするムギちゃんは子供なのか。
それとも強い意志を持った大人なのか。
でもさ、結局今の決断を正しいかどうか、決めるのが未来の自分だってことは間違いないよ。
74:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 19:50:38.09 ID:WwkYnpYs0
………
75:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 19:51:12.46 ID:WwkYnpYs0
首を振っていた扇風機が止まった。おやすみタイマーが切れたんだ。
窓から吹く風が気持ちいいから、差し支えはなさそうだ。ちりんちりんと風鈴が揺れた。
「…ごめんなさい」
76:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 19:51:40.61 ID:WwkYnpYs0
「りっちゃんが好きなの」
77:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 19:52:47.00 ID:WwkYnpYs0
「くるしく、ないの?」
「くるしいよ。でもきもちに嘘つくほうがもっとくるしいから」
「ずっとそのままでも? 永遠に振り向いてもらえなくても?」
78:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 19:53:34.25 ID:WwkYnpYs0
スマホがちかちか光ってるのに気づいて手に取る。
りっちゃんからLINEだ。こんな時間に起きてるの? …間が悪いよ。こんなタイミングじゃ返事できないじゃん。…いつもいつも、りっちゃんにちゃんと返信できない。
「唯ちゃん、ごめん。いますぐ出てって。りっちゃんのところへ行って」
79:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 19:55:25.92 ID:WwkYnpYs0
「…わけわかんないよ」
「…まだ間に合うから」
「ちゃんとわかるように言ってよ」
80:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 19:56:25.50 ID:WwkYnpYs0
「……わかった」
無言。ムギちゃんの肩は震え続けている。
「今日は案内してくれてありがとう。久しぶりに二人で遊べて、すっごく楽しかったよ」
81:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 19:57:21.23 ID:WwkYnpYs0
暗がりのなか、手探りで着替えをすませ、枕元に置いておいたリュックを背負い、ムギちゃんの部屋を出た。
スマホを取り出す。電池残量はもう一桁だ。LINEを開いて文字を打つ出す。
わたしが返事すべきこと、りっちゃんに聞きたいことは……
“どうして”
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