82:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 19:58:53.00 ID:WwkYnpYs0
やっぱり電話をかけようか、うまく文字にまとめられなくても、声に出せば伝えれるかもしれない。
でもこんな時間にこんなところで電話したら、ここに住んでる人たちに迷惑だ。
せめて下まで降りて外で電話しようか、と思ったら、あ……エレベーター壊れてるんだった。7階から歩いて降りるのか……ぐぇぇ…
第一、こんなに夜遅く、りっちゃんはまだ起きてるだろうか。もう寝てるかもしれない。
83:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 19:59:59.29 ID:WwkYnpYs0
わたしはダッシュで階段を駆け下りた。
7階6階5階4階3階……息が切れる、膝がガクガク、太ももはプルプル。
踏み外したら大ケガだ。それでもかまうもんかと一段飛ばし。
84:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 20:00:51.29 ID:WwkYnpYs0
「…出ると思わなかった」
85:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 20:02:02.76 ID:WwkYnpYs0
薄紫色の空にかかる雲。ほとんど星なんて見えない。
あの日ふたり見た星空とは大違いだ。
しばらく黙ったまま、明けつつある空を見つめていた。
86:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 20:04:47.75 ID:WwkYnpYs0
どれだけ無言の時間が続いても、りっちゃんは電話を切らなかった。
そうだ。りっちゃんは、わたしを待っていてくれてた。いつだって待ってくれてた。
わたしが何かを伝えようとするのを。返事をするのを。
87:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 20:06:32.64 ID:WwkYnpYs0
「……この三年間一切男っ気ないし。もう来年30歳なのにどーしてくれんの。
とりあえず付き合うとかいうレベルでも男に興味なくなっちゃったんだけど。
ねぇ、どうしてかわかる? りっちゃんのせいだよ。りっちゃんがあんなことするからだよ。
そのくせりっちゃんが結婚するとか、なに? なんなの? ふざけてんの? バカにしてるでしょ」
88:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 20:07:34.27 ID:WwkYnpYs0
沈黙。
受話器の向こうからりっちゃんの呼吸だけが聞こえて来る。
呼吸がだいぶ落ち着いてきた。
「…ごめん」
89:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 20:08:20.08 ID:WwkYnpYs0
「……電池切れるから」
すぅ、と雲が流れた。
その瞬間、わたしは見た。
90:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 20:09:08.13 ID:WwkYnpYs0
「…唯、いま見た?」
「…なにを」
「わたし、外にいるから見えたんだけど、流れ星がさ……」
91:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 20:09:43.97 ID:WwkYnpYs0
92:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 20:10:31.86 ID:WwkYnpYs0
「唯、聞こえてた?」
「…聞こえた」
「そりゃなによりだ」
98Res/73.63 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。