2: ◆6QdCQg5S.DlH[saga sage]
2016/11/27(日) 22:07:18.70 ID:h2LPpq420
「……ふぅ」
読み終えた本を閉じ、息をひとつこぼします。
……この本は美嘉さんに借りたものでした。
彼女に相談しに行ったところ、これがいいよと渡されたものです。
年下に相談……というのも変な話かもしれませんが、内容が内容だったので……その道に通じてる人がいいかと思いまして……。
さて、借りた本の内容は……嘘や愛がやたら壮大に綴られたお話でした。
いえ、面白い物語ではあったんです、読んでいて飽きない良い話でした。
ですが……。
……あくまで、物語として面白かった、という思いがぬぐえません。
悪も善も恋も活字となって彩られていたからこそ……面白いものとなったのであって。
これが現実に役立つものなのか……というと。
でも、あの美嘉さんが役立つと言ったものですし……。
……幼少の頃から物語に囲まれて過ごしてきて、物語と共に生きてきました。
恋も青春も物語の中で経験してきましたが、現実にはまったくもってありません……少なくとも、私の心がそのような情景に彩られたことは……。
そんな私だからこそ、ありえない……なんて思ってしまうのかもしれません。
……初めてなんです。
こんな……誰かに、思いを寄せるなんて。
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