過去ログ - 乃々「せっかくのオフの日なのに、外に逃げる羽目になったんですけど…」
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◆h.JLimX5Dc
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2016/12/01(木) 21:29:08.97 ID:FCicwrjio
藍子さんがとても申し訳なさそうにしています。藍子さんは悪くないのに。
実はもりくぼ、この13時の鐘は数え損ないましたが12時の鐘にはちゃんと気づいていたのです。
もうお昼ですか……なんて呑気に藍子さんのお話に耳を傾けていたもりくぼだって、「もうお昼みたいですね」なんて言えていれば、藍子さんはこんなに悲しそうな顔をさせなくてすんでいたんです。だから、申し訳ないのはむしろもりくぼの方で。
もっと話したいことがありそうなのに、もりくぼなんかのことをおもってシュンとしながらも自分の話を我慢してくれた藍子さんに、何かお返しをしたくなって。
乃々「あ、あのぅ……藍子さんがよかったら、なんですけど……」
藍子「……はい」
これまで自分から、誰かをご飯に誘うなんてありませんでした。
輝子さんもまゆさんも、美怜さんや小梅さんたちも、人に声を掛けるのが苦手なもりくぼのことを分かってくれていて、もりくぼが何かお話をしようとするときでも、率先して優しく声をかけてくれていたから。
なにより甘ったれで、ダメダメで、とても事務所にいる皆さんとは同じ世界の人間だなんて思えない、隅っこの方でじっとしてるのがお似合いのだめくぼなんかが、人の時間の使い道を選択させるだなんて、おそれ多くて考えるだけでも竦み上がりそうなことでした。
でも、この時はそんなもりくぼなんかのために、ひだまりのような柔らかい笑顔でお話してくれていた藍子さんの顔が曇ったままにしておくことだけは、しちゃいけないような気がして。
乃々「こ、このあと、もりくぼと…こ、ご飯を食べながら……また、お話聞かせてくれたら、その、嬉しいんですけど……」
藍子「えっ、いいんですかっ?」パァッ
乃々「は、はい…も、もちろん、藍子さんがよければ、ですけど……」
藍子「わぁ、ありがとうございますっ。乃々ちゃんがいいなら、私、いっぱいお話しちゃいますねっ」
このあと、遅めのお昼ご飯を注文して、ゆっくりと食べながら藍子さんとのんびりお話をして、暗くなった頃にお別れしました。
今思い返しても、藍子さんとご飯を食べてお話しよう、と口にしたのは驚きの行動でした。
藍子さんとお別れした後のお家への帰り道の途中、ふとこのことを思い出してしまって気持ちを落ち着かせるために、初めていつものポエム帳ではなくスマホのメモ帳にポエムを書き綴ったことはここだけの秘密です。
そうして、もりくぼにとって厄日みたいな一日になりそうだったその日は、藍子さんと一緒に飲んだミルクティーのように温かくて、ほんのり優しい甘さに包まれた、もりくぼにとって忘れられない大切な一日となったのでした。
終わり
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