過去ログ - 提督「伊58の天国と地獄」
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11:名無しNIPPER[saga]
2016/12/02(金) 13:55:26.16 ID:GfbqtjEo0
「わあ! でっちー! でっちー!」。しかし、そんな伊58のニル・アドミラリな気性をもってしても、彼女の変化は注意をひかざるをえないものであった。

「おまえは誰でち」「えええ!? 忘れちゃったの!? でっち、ほら私だよぉー! ろーちゃんだよー!」「初対面でち」「ちょっとひどいかなーって!」

「ろーちゃんはでっちとお話したいですって! はい!」と言うので、二人は埠頭にやってきた。
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/12/02(金) 13:57:14.76 ID:GfbqtjEo0
彼女曰く、私達はもともと何でも手に入るユートピアに住んでいたらしい。例えば、何らかのスイッチ一つで食物は調理され、建物はそびえ立つというような。

「だったらどうして今は戦争なんて過酷な状況になっているでち」。至極当然の質問だった。「それは人間が選んだからかな?」

ユートピアの余りの退屈さに人間は何か究極の自由を制限する規則を作り出したのではないか。スイッチ一つでおいしい料理や荘厳な建物が出来るかも知れないが、それより拙かろうが人間の手作業で、つまりより多くの苦労を含んだものの方が価値ありとするような。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/12/02(金) 13:59:16.72 ID:GfbqtjEo0
そして、この世を天国とみなすことは伊58の地獄と同様に現在の運命を正当化しうると彼女は言う。相違点はそれが贖罪という形をとるか娯楽という形をとるかというだけ。

「でも、罰は義務だけど、娯楽は権利でち。私は別に好きでこの境遇を選んだわけではないでち」「でっちは罪に覚えはないんでしょ? だったら別に覚えのない遊びへの選択も引き受けていいと思うけど」

伊58にとって地獄は宿命を仕方なしに引き受けるための観念装置であって、原理的にいつでも降りることができる遊戯的な天国はその代わりになりえなかった。
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/12/02(金) 14:00:58.57 ID:GfbqtjEo0
「問題はこの興醒め!」今まで熱中していたゲームに対してある日ふと突然それをただの電子データだと見なすときのような興醒め。

その興醒めは最初一本のゲームに対するだけで、すぐに別のゲームに熱中し出すかもしれない。しかし、またそこでも興醒めが起こり、次のゲームへ行くのなら。それを繰り返すのなら。

その過去が蓄積し、その興醒めがゲーム個体ではなく、種としてのゲームへの興醒めへと跳躍するのならば。
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2016/12/02(金) 14:02:52.78 ID:GfbqtjEo0

「――――でっち! でっち! プール! プール!」。ゴーヤは目を覚ました。呂500が寝ているゴーヤの上でぴょんぴょん跳ねている。

「邪魔でち。どくでち」。呂500を押しのけて起きあがった。蒸し暑い。開いた窓の網戸越しからセミの鳴き声が聞こえていた。

以下略



16:名無しNIPPER[sage]
2016/12/02(金) 16:39:03.92 ID:HhUvWpG+0

よくわからないけど熱中して読めた


17:名無しNIPPER[sage]
2016/12/02(金) 17:29:20.05 ID:b1yQ3+/go
なんというか、すげぇな


18:名無しNIPPER[sage]
2016/12/03(土) 23:33:50.42 ID:JK4app1p0



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