117: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/18(日) 21:27:28.42 ID:FCBCD8mJO
「アンタらはどうあってもその力を使いたいんだろ?」
「そりゃ、そうだよ」
使えるものは、使う。
それが未央の出した結論。
歯には歯を、目には目を。
しかし、それ相応のリスクがあるというのも、怖い。
「なら、せめて怒りに身を任せるのは良しな。そんなんじゃ見えるもんも見えなくなる」
そういう時こそ、努めて冷静に。
「見えるもんも見えなくなって、あと少しって所で失敗しちまう。アタシゃ良く知ってんだ」
「…」
何かあったのか、と聞きたかった。
だが、彼女の過去のトラウマを聞くことはどうにも憚られる。
だから、黙って聞くことしか出来ない。
「…落ち着いて、冷静に判断して、前を見据える。それが本物の強さってもんさ」
「…本物の、強さ…?」
「武力にばっか頼ってないで、自分を磨けってことさ」
「…」
「だからこんなとこでいつまでもピイピイ泣いてないでとっとと動きなよ」
そう言って、濡れた布巾を未央の顔に叩きつけるアマネ。
顔を拭けと、行動で訴える。
その優しさは、まるで娘に向けるもの。
「ウチはそんな余裕は無いんだよ。餓死したくなかったら働きな!」
「…アマネさん…」
「…不便なもんだね…全く…」
「え?」
「何でもないよ」
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