47: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 21:50:00.85 ID:LNih3IB00
「俺に、幸子と話をさせてください」
「昨日も言いましたでしょう。幸子本人が拒んでいます。私からは許可を出せません」
「なるほど、幸子から許可をもらえば良いわけですね」
俺は残ったお茶を飲み干し、立ち上がった。
お茶は舌が焼けるような熱さだったが、気合いを入れるにはちょうど良い。
「ちょ、ちょっと待ってください。あの子に、何かするつもりですか」
「部屋の前から呼びかけるだけです」
「……あの子を、追い詰めないでください」
母親の声は怒気をはらんでいる。
幸子が引き籠もってしまった責任の一端は俺にあると思っているのだろう。
まさしくその通りだから言い逃れをするつもりはない。
確かに、芸人アイドルとして幸子を売り出すことに決めたのは、この体、このプロデューサーだ。
「俺は、幸子を救いに来たんです。追い詰めなんかしませんよ」
「ですが――」
「幸子が望むなら、今やっている仕事は全てやめさせましょう。路線を変更します。芸人アイドルから、正統派アイドルへ。幸子なら、どんな方向性でもやっていけますから」
それで母親は口をつぐんだ。認めてくれたのだろう。
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