過去ログ - P「輿水幸子は無数に存在する」
1- 20
8: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/07(水) 21:16:36.46 ID:Q/KsUm3o0
 ソロライブというのは、まさか、地方のショッピングモールを回る、例のリリースツアーのことを指しているのか?
 いやさすがの幸子もそこまで自惚れてはいないだろう。

 首を捻りながらも、確かに遅刻はまずいと思い、シャワーを浴び、バスタオルを腰に巻き付け歯を磨く。

 すっきりした頭で考えるに、これはもしかして、記憶喪失とかいう奴なのか。
 だとしたら今後の幸子の活動にも支障をきたすほどの事態だが。
 とにかくまずは幸子がライブと言っているのだからライブ会場に向かわなければ。

 車を走らせ、事務所へ。
 幸子から可愛い小言をぶつけられながらも、スケジュールを確認し「はははそんな馬鹿な」と喚きつつも、さらに会場へ。
 馬鹿なのは俺の方だった。

『輿水幸子 シンデレラの舞踏会 2017』

 その看板は、武道館の入り口に堂々と掲げられていた。

「やっぱりここに来ると、実感してしまいますねえ、プロデューサーさん?」

 隣の幸子が瞳を潤ませる。

 俺が階段から転げ落ちたのは、2016年9月16日。
 あれから実に、1年が経過している。

 ――まったく、長い記憶喪失である。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
160Res/90.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice