過去ログ - 【FGO】マシュ「二人で分け合いましょう、先輩」
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1:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 07:51:35.59 ID:kPPq99600
少しだけ七章のネタバレがあるかもしれません

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2:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 07:52:09.98 ID:kPPq99600
目を覚ました時、私の目の前は真っ暗闇だった。
時刻を確認する。
午前三時三十四分。
いつもの起床時間にはまだ早い。
レイシフト先での長期の生活で、少し活動のリズムが崩れているようだ。
以下略



3:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 07:52:57.16 ID:kPPq99600
一週。
ふと、足が止まる。
先輩の部屋の前。
人類最後のマスター。
世界で一番サーヴァントを知るマスター。
以下略



4:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 07:53:58.00 ID:kPPq99600
「うわあああああああああああっ!!!」
「先輩っ!?」
目の前の扉から聞こえた悲鳴。
聞き間違えるはずもない、先輩の声。
私は考えるよりも先にドアを叩いていた。
以下略



5:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 07:55:02.05 ID:kPPq99600
「……マシュ? どうしてそこに……まさか、ずっといたの?」
「ち、違います! たまたまです!」
扉越しに聞こえる先輩の声。
その物言いは普段通りで、何か緊急事態が起きた訳ではないと胸を撫で下ろす。
「それよりも先輩。何があったのですか?」
以下略



6:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 07:56:31.90 ID:kPPq99600
「……先輩」
ベッドの傍らまで進み、声を掛ける。
「先輩、顔を……顔を、見せて頂けませんか?」
「……ちょっと待って。今は駄目」
それは、私が聞いたことの無い、消え入りそうな声だった。
以下略



7:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 07:57:21.13 ID:kPPq99600
「……ありがとう」
「はい! って、ええ!? 私、口に出していましたか!?」
「全部ね」
かぁぁっと頬が熱くなる。
いや、例え口に出ていたとしても、私の想いに嘘偽りなんかなく、恥ずべきことなどない……の、だが。
以下略



8:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 07:59:17.35 ID:kPPq99600
「うなされてたんだ。嫌な夢を見て」
「……夢?」
「特異点から帰ってきた後は、毎回こうなんだ。毎回……特異点で見た、一番……酷いことを、自分が受ける夢を見る。今日は……ラフムにバラバラにされる夢。その前はラフムにされて皆と戦う夢。その前は……もういいや」
ははは、と弱弱しく笑う先輩。
いつも前向きで、強気で、絶対に諦めなかった先輩。
以下略



9:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 07:59:53.68 ID:kPPq99600
「……マシュ?」
気が付けば私は身を乗り出し、先輩を抱きしめていた。
私は、自分で思っているより行動的らしい。
「ごめんなさい、先輩……私は、ずっと先輩と一緒にいたのに、先輩の事、何も分かっていませんでした」
先輩は、強くなんかなかった。
以下略



10:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 08:01:34.47 ID:kPPq99600
「先輩、私、いつだって戦うことが怖いです。戦って死ぬことが、怖いです」
「うん。俺も、怖い。いつだって怖い……いつだって、逃げ出したいのを必死に堪えて、抑えてる。いつも皆を励ますようなこと言ってるけど、本当は自分に言ってるんだ」
「私達は一人ではありません。だから……二人で分け合いましょう。怖いこと、辛いこと、嫌なこと。一人で抱えることが苦しくても、二人でなら、きっと大丈夫です」
「うん……うん」
先輩が腕を私の背に回してくれた。
以下略



11:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 08:02:08.42 ID:kPPq99600
「一人じゃないんです、先輩。私がここにいます。マシュ・キリエライトが、ここにいます」
「うん、分かるよ。マシュはここにいる。俺も、ここにいる」
「はい。私達は今、二人でここにいます」
ふふふ、と先輩の笑い声が聞こえた。
……いつも通りの、明るい調子で。
以下略



12:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 08:02:57.42 ID:kPPq99600
「でも、どうせ分け合うなら嫌なことだけじゃなくてさ、良いことも分け合いたいな。そしたらきっと……少しだけ、幸せな気分になれると思うから」
「はい、そうですね。このような状況だからこそ、幸せは分かち合わないといけません」
幸せ。
私の幸せ、それは。
「先輩、早速ですが、私の幸せをおすそ分けしてもいいですか?」
以下略



13:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 08:04:16.32 ID:kPPq99600
「あー、笑わないでよ」
先輩が口を尖らせる。
それでは、答え合わせ。
再び先輩の背に手を伸ばし、ぎゅっとその身体を引き寄せる。
「先輩の身体は、大きくて暖かくて……今、私。とても、幸せです」
以下略



14:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 08:05:38.12 ID:kPPq99600
「先輩、私――」
何を言おうと思ったでもなく、勝手に口が開いて言葉が飛び出た、その時。
「今だっ、主殿! ここが勝負どころよなぁ!」
……えっ?
私の声ではない。
以下略



15:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 08:06:37.31 ID:kPPq99600
小次郎さんの出現から消失まで、私は呆然として事態を見つめることしかできなかった。
私はあの時、何と言って、何をしようとしたのだろう?
いくら考えても、答えが出ない。
だけど、あの人の所為で、なんだか幸せを逃したような、そんな気がした。
……私はあの時、何と言って、何をしようとしたのだろう。
以下略



16:名無しNIPPER
2016/12/12(月) 08:08:38.85 ID:kPPq99600
おわりです
読んでくださった方がおられましたらありがとうございます



17:名無しNIPPER[sage]
2016/12/12(月) 09:16:45.30 ID:jPUhyQp9o


でも最後までぐだ達はラフムが人間から変異もするっての知らないのにその話があるのはどうかと


18:名無しNIPPER[sage]
2016/12/12(月) 09:17:47.20 ID:0lHtweKHO
おつおつ



19:名無しNIPPER[sage]
2016/12/12(月) 10:00:19.97 ID:qT0vi4MdO
Rで小次郎が出ない分岐をはよ


20:名無しNIPPER[sage]
2016/12/12(月) 12:24:20.92 ID:1jjOVOzBO
>>17
ぐだは薄々勘付いてたぞ


21:名無しNIPPER[sage]
2016/12/13(火) 13:58:55.04 ID:GGrq2+9Io
6z~
jd( d30p it@dq
t0ec4 qkde!!


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