過去ログ - フレデリカ「怪談ごっこ、その1」
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18: ◆TDuorh6/aM[saga]
2016/12/13(火) 16:44:06.47 ID:Y7jwP/KDO
腕時計を見れば、既に23時59分。
何処だか分からない道を走りながら、私はカバンから本を取り出しました。
両手で大きく開いてみると、やはり最後の見開き。
そして裏表紙を開いている手が、勝手に動き出しました。
まるで、本を閉じようとするかの様に。
きっと、この本を閉じた瞬間。
私の未来は、ここで潰えてしまう。
時計の秒針が頂点を指そうとするその瞬間。
一気に私の視界は光に埋めつくされました。
眩しくて何も見えません。
けたたましいクラクションの音が聞こえます。
どうやら、信号が赤なのに私は飛び出してしまった様でした。
きっと、私はここで轢かれます。
やはり本の残りページの通り、終わってしまう様です。
何故か冷静に物事を考えられるのは、心の何処かでわかっていたからでしょうか。
心のどこかで、諦めていたからでしょうか。
…まだ、諦めませんっ!
私は勢いよく、本のページを捲りました。
閉じようとする左手を抑えつけ、右手でページを全て掴み。
一気に、最初の見開きへーー
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