過去ログ - 小日向美穂「夢色、キラキラ、ダイヤモンドダスト」
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12: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:20:10.78 ID:g4iXPbsKo
 内気な自分を変えたくて、引っ込み思案なまま大人になるよりも憧れの場所に行きたいって思っていた私は、幼い頃に憧れたアイドルになれたことで
生まれ変われたんだって満足していたのかもしれない。アイドルになっただけで、キラキラ出来るはずもないのにね。

「早かれ遅かれ、アイドルとしての壁にぶち当たることは分かっていたんだ。最初の壁を、美穂は見事に乗り越えたよ」

以下略



13: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:21:59.86 ID:g4iXPbsKo

「ふわぁ……っ。おはようございます、美穂ちゃん、プロデューサーさん」

「おはようございます!」

以下略



14: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:22:38.44 ID:g4iXPbsKo
「さて、着いたぞー。って寒っ!」

 冬だから寒いのは当たり前なんだけど、さっきまで車の中は暖房が効いていたものだから、扉を開けた途端に襲いかかってきた冷気が余計体を切り裂く。

「今日は雪が降るかもって言っていましたからね」
以下略



15: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:23:06.94 ID:g4iXPbsKo
「3人とも、元気だなぁ……俺は寒くて仕方ないよ。若いっていいなぁ」

「カイロいりますか? 私多めに持ってきたんですけど」

「いいの? それじゃあありがたく貰います、ありがと美穂」
以下略



16: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:25:16.37 ID:g4iXPbsKo
 お世話になるスタッフの方々への挨拶を済まして、私たちは楽屋替わりのワゴン車の中で温まっていた。プロデューサーさんが買ってきてくれたコーヒーの甘い香りが車内に漂っている。

「美穂ちゃん、それは? 扇子?」

「紗枝ちゃんから誕生日プレゼントで貰ったんだ。綺麗でしょ?」
以下略



17: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:26:21.18 ID:g4iXPbsKo
 リハーサルは恙無く終わり、後は時間がくるのを待つだけ。歌い踊っていた私たちの心と体はすっかり熱くなってきていたけど、外の気温は下がるばかりだ。
プロデューサーさんだけじゃなくて、スタッフの皆さんも寒そうにしている。クチュンと可愛らしいクシャミが寒空の中で響いた。

「こんな時、お鍋があればいいんだけどなぁ」

以下略



18: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:27:36.29 ID:g4iXPbsKo
「本当ですか! やったぁ!」

「それじゃあ腕によりをかけて下準備しますね!」

「ふふっ。楽しみだなぁ」
以下略



19: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:28:48.24 ID:g4iXPbsKo

「凄いです、こんなに寒い日なのに沢山のファンの皆が」

「それだけの人が、今日のステージを楽しみにしていたんだよ」

以下略



20: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:30:04.31 ID:g4iXPbsKo
「今日のステージ頑張ってください!」
「熊本からきました!」
「僕はみんなのクラスメイトです!」
「いつも応援しています!」
「出会った時から決めてました」
以下略



21: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:31:15.81 ID:g4iXPbsKo
「「「ありがとうございましたー!」」」

 個人曲を3曲続けて披露すると身体に心地よい疲れが出て来て、息も少し切れてしまう。だけどステージの盛り上がりは最高潮に達していて、
誰もが寒さなんてものをすっかり忘れていた。ピンク色のサイリウムに照らされた私たちの心のビートがどんどんとテンポを上げていく。

以下略



22: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:32:24.95 ID:g4iXPbsKo
「――!!」

 最後の曲を歌い終えた私たちを労い称えるかのように雪夜に歓声が響く。ステージをやりきった達成感で私の胸は満たされていた。
ピンク色のサイリウムが照らす雪を掴もうと手を伸ばしてみるけど、やはり触れると消えてしまって。ああ、そうか。夢のような時間にも終わりが来たんだね。

以下略



23: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:34:38.12 ID:g4iXPbsKo

「こ、こんなの聞いてないよー!」

 やっとの思いで出した言葉も、なんだかお笑い芸人さんみたいだ。

以下略



24: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:36:09.46 ID:g4iXPbsKo

「実はこの子、美穂ちゃんのために響子ちゃんとお泊まりをして2人で作ったんです!」

「えええええええ!? て、手作りなの!?」

以下略



25: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:36:39.27 ID:g4iXPbsKo
「すぅ、すぅ……」

「がんばりまふ……」

「2人とも、すっかり夢の世界ですね」
以下略



26: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:38:11.75 ID:g4iXPbsKo
「もしかしたらだけど」

「はい」

「あの雪は神様からの美穂への誕生日プレゼントだったのかな、なんて思ったりして」
以下略



27: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:39:02.03 ID:g4iXPbsKo
「私自身が変われた、ご褒美なのかもしれないですねっ」

「それもある、かもなぁ」

 今までやってきたことは間違っていなかった。そう強く思えたことが、なんだか誇らしい。
以下略



28: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:40:34.13 ID:g4iXPbsKo
「やった。誰よりも先におめでとうって言えた」

「な、なんだか……照れちゃいますねっ」

 バースデーイブで祝って貰えてもうドキドキはしないと思っていたのに、こんなさらりと言ってのけるなんて。やっぱりこの人には敵わないな。
以下略



29: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:41:36.99 ID:g4iXPbsKo
「美穂のお気に入りのしろくま君に似ていると思ってな。被るのならちゃんと相談しておくべきだったなぁ。未来、見れてなかったや」

 サイズも色も違うけど、プロデューサーさんはくまのぬいぐるみという括りで被ってしまったことを申し訳なさそうにしている。そんな顔、する必要なんてどこにもないのにね。

「ううん、すごく嬉しいです。だって今日だけでプロデューサーくんに家族ができましたから」
以下略



30: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:43:23.36 ID:g4iXPbsKo
初っ端から酉バレするという事態がありましたが、これにておしまいです。もしまとめる奇特なサイトがございましたら、そこを配慮して
いただけるとありがたいです。

美穂ちゃんの誕生日で浮かれていたんでしょうかね? なんにせよ、また新しい一面を見せてくれることを願います。

以下略



31:名無しNIPPER[sage]
2016/12/16(金) 01:12:39.78 ID:a4MU+KHBo

ごひで某正義マン思い出して正直笑ったけど、それはともなくとしてとても良い誕生日SS


32:eba
2016/12/16(金) 01:26:42.11 ID:1fDslGYy0
クリスタルスカイではないのか


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