過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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158: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/28(水) 19:40:49.16 ID:HiFRyoCx0

ラグレイ「こ これは……!」

*「ズズズ…ずるずる…。」

それはまさに身の毛のよだつような光景だった。村で唯一の井戸を取り囲んでうごめくそれらは周りの木々を赤く染めながらその“全身”を使ってゆっくりと歩いていた。

*「にんげん…人間だ…。」

*「握手しよう… あくしゅしよう…。」

*「おれみたいに どろどろに…。」

やってきた少年たちに気付いたそれらは、どこから発しているのか分からない低く呻くような声で恐ろしい言葉を繰り返している。

アルス「ブラッドハンド…!」

ラグレイ「まずいっ! あの井戸の下には みんなが!」

マリベル「落ち着いて 二人とも! あいつらは 水のある所には 行けないはずよ!」

焦る二人を落ち着かせてから少女は再び詠唱を始める。

マリベル「これでも喰らいなさい!」

[ マリベルは マヒャドを となえた! ]

次の瞬間、這い歩く血の上に巨大な氷の刃が次々と突き刺さる。

*「あああああ……。」

*「かたまる からだが かたま る……。」

*「ううう お かえし だ。」

[ ブラッドハンドFは ヒャドを となえた! ]

一匹のそれが呪いのように呟くと空から小さな氷柱が降り注いだが、男が少年と少女の前で仁王立ちすると氷の塊は桃色の鎧に当たって砕け散ってしまった。

ラグレイ「大丈夫ですか。お二人とも。」

アルス「ありがとうございます。」

マリベル「なーによ かっこつけちゃって。あんなの 片手で はじいて終わりよ!」

ラグレイ「わははは……。」
ラグレイ「さて。では ケリを つけましょう!」

真剣な表情に戻ると男は獲物を携えて動きの鈍った血の海へと切り込んでいった。

ラグレイ「ぬおおっ!」

さきほどまでの不可思議な動きとは打って変わり、今度は一体一体地に還すように重たい一撃を繰り出していく。

*「おおお…… こ… い……。」

そうして最後の赤い手も大きく反り返った後、ゆっくりと前に項垂れて地面に吸い込まれてしまうのだった。

ラグレイ「よし……。」

“残すは地響きの主だけだ”

そう男が思った時であった。






アルス「ラグレイさん 跳ぶんだ!」



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