過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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176: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/28(水) 19:56:51.03 ID:HiFRyoCx0

古いレンガ造りの家々を夕日が朱に染め、閑静な孤島の村は素朴な温かさを醸し出す。

村の中央では円卓の上に色とりどりの料理が並べられ、それを囲んで村人たちが談笑していた。

*「イタイ……。」

*「ガルルルっ!」

そんな広場のとある一角に漁師たちの集まる卓はあった。

アルス「ひどいや いきなり 叩くなんて……。」

マリベル「あんたが 悪いのよ あんたがっ!」

アルス「ええっ!?」

頬を擦りながら少年が抗議するも少女はすっかり頭に血が上っており聞く耳をもたない。

*「いやいや 噂には 聞いていましたが まさか あそこまで……。」

マリベル「ちょっとぉ! あんたも 勘違いするんじゃないわよっ!」
マリベル「あれは ちょっとした おしおきで…!」

*「ほほっ そういうのが お好みですか……。」

マリベル「ちっが〜〜う! キ〜ッ! なんて ついてない日なの!」

顔を沸騰させながら少女は飯番の男に怒鳴りつける。

アルス「マリベル 落ち着いて…!」

マリベル「アルスも アルスよ! さっきのが 誤解だって 説明しなさいよ!」

ボルカノ「どうしたんだ そんなに 騒いで。」
ボルカノ「マリベルおじょうさん 何か あったんですかい?」

そこへ井戸の前の民家から出てきた漁師頭がやってきて少女に尋ねる。

マリベル「ぼ ボルカノおじさま べ べつに なんでも……。」

*「いやあ 船長 聞いてくださいよ。マリベルおじょうさんと アルスがっ…!?」

マリベル「あたしと アルスが な に か し ら?」

*「ひっ … な なんでも ありませんです はいっ!」

ボルカノ「……?」
ボルカノ「…ははあ なるほど。」

飯番の反応と少女の焦り様に漁師頭は何があったのかをなんとなく察する。

“この手の話題には触れない方が賢明だ”

隣に立つ少年の頬にできたテガタがそれを物語っていた。

そこで男は先ほどまで自分が行っていたやり取りについて二人に説明することにした。

ボルカノ「ところで 二人とも さっき 王様からの書状を この村の長に 渡してきたんだが。」

アルス「えっ 本当に?」

マリベル「どど …どうだったんですか?」

少女がわかりやすく動揺していたが少年の父親は気づかぬ振りを貫くことにした。

ボルカノ「ええ。軍や 自警団が いるわけでもないから 周辺の警備はさすがに 無理だけど 漁に関しちゃ 全面的に 協力してくれるって話です。」

*「「よかったあ……。」」

わざわざ奮闘しただけあって交渉は概ねうまくいったらしい。そんな安堵から二人は揃って胸を撫でおろす。

気付けば先ほどまでピリピリしていた雰囲気もほぐれ、少女も落ち着きを取り戻していた。

ボルカノ「…………………。」

本当に胸を撫でおろしたのは少年の父親の方だったのかもしれない。



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