過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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240: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/31(土) 15:28:39.20 ID:OqFe7abd0

*「なかなか 晴れねえなあ。」

日が完全に沈み、辺りは怖いほどの静寂に包まれていた。
相も変わらず深い霧は船の視界を奪い、惑わすかのように渦を巻いている。

*「もしかして 今日はこのまま 濃霧の中を 走り続ける羽目になるってか? 面倒くせえったら ありゃしないぜ。」

行けども行けども同じ光景が続く。

手ごたえの無い状況に見張りの漁師も辟易とし始めていた。

ボルカノ「なに それでも 方角がはっきりしてりゃ 怖いもんはねえ。焦らずに 行けよ。」

*「「「ウスッ!」」」

再び気合を入れなおし漁師たちが持ち場に戻ろうとしたその時だった。

*「ぼ ボルカノ船長っ!」

ボルカノ「あん どしたぁ! お化けでも出たか?」

*「ら 羅針盤が!」

ボルカノ「なにっ!」

船員の一人が慌てふためき漁師頭のもとへ転がり込んできた。

*「羅針盤が めちゃくちゃなんです!」

ボルカノ「なにっ!」
ボルカノ「……な なんだこりゃあ!?」

男たちは驚愕した。
先ほどまであれほど正確に方角を指し示していた羅針盤の針が不可思議に、まるで誰かが指で動かしているかのように回転しているのだった。

*「こ こいつはいったい……!」

ボルカノ「アルス! 帆をたため! 一度停まるぞ!」

アルス「はい!」

父親の指示で少年が緩く張られていた帆をたたもうとした、その時だった。

アルス「……っ!!」

少年が何かの気配を察して東と思わしき方角を振り向く。

そこには霧の向こうに不自然な視界が広がり、その中心には大きな古ぼけた船らしきものが佇んでいのだった。

その時、今朝がた町を出る時に交わした学者との会話が少年の頭をよぎった。




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