過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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◆N7KRije7Xs
[sage saga]
2017/01/02(月) 14:53:09.51 ID:kyvdl/RT0
サイード「あれだけあった 生命の水が ほとんど 空だな…。」
生命の水と呼ばれるその液体は水の綺麗なこの地方ならではの名産として古くから伝えられている麦を使用した飲み物だった。
生成される過程で蒸留を繰り返すことで非常に“きつく”なるのだが、水を加えることで香りや味わいが花開き、複雑で繊細な顔を見せる。
それはまるで生命が生まれ、老い、そして無に還る無限の営みの一瞬を切り取ったかのような美しさを持ち、
一度口にすれば体を目覚めさせ、精神を漲らせ、やがて眠りへと導いていく。少女はそんなこの生命の水に心酔していたようだった。
マリベル「ふふっ これ お土産に もう一本もらってこうかしらね。」
アルス「きっと ご両親 ひっくり返るかもね。」
マリベル「うちの親は 別に 弱いわけじゃ ないわよ?」
サイード「まあ おまえを見ていたら それも 納得できるが。」
マリベル「とーにーかーくっ! あんたはきっと 何か 隠しているわね?」
“ズビシッ”
再び少女の指先が青年の顔に向かう。
サイード「むっ まだ その話を引っ張るか!」
アルス「あははは…… マリベル もうそろそろ 寝ようか。」
マリベル「なによう! もうちょっとくらい からかったっていいじゃない!」
サイード「おれを からかっていたのか!」
マリベル「あんたみたいな カタブツは ちょっとからかわれて 赤くなってる方が 可愛げがあるのよ!」
マリベル「きっと 照れた あんたを見たら あの真面目な 女王さまだって…… ふふふ。」
サイード「あ アルス! はやく そいつを連れて 部屋に戻ってくれ!」
マリベル「あ! あんた 分が悪いからって 逃げるきねえ?」
アルス「はいはい マリベル そのくらいにして もう行こう? ね?」
マリベル「ぬぬう……。」
マリベル「わかったわよ…… しょうがないわね!」
そっぽを向き、頬を膨らませて腕組しながら少女は歩き出す。
少年に肩を抱かれて。
サイード「ふう…… ようやく 解放されたか。」
サイード「マリベルのやつ 調子に乗って こんなに飲むとは……。」
そう言って青年は卓の下に置かれた 空瓶の束を見てため息をつく。
サイード「……女王様…か。」
誰にも聴き取れぬような声でそっと呟くと、青年は普段はマントに隠れている首に下げられた物に手を当て、
物思いにふけるように少量だけ満たされている自分のグラスを見つめるのだった。
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