過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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373: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/05(木) 19:33:42.91 ID:jh5nLVyG0

マリベル「ハエナワ?」

船室で本日行われる漁について話合いが行われる中、聞き慣れない言葉に少女が首をかしげる。

ボルカノ「延縄っていうのは 漁のやり方の一つでな。数十本から 数百本の 針縄の付いた一本の長い綱を 垂らして 狙った魚を獲るんだ。」

*「ただ 鳥や亀なんかが 引っかかっちまわないように 注意が 必要なんですけどよ。」

*「そんでもって 人手が多くないと できないっていう 欠点がありましてな。乗組員がたくさんいないと なかなか できねえんです。」

マリベル「じゃあ うちの船みたいに 大きな漁船じゃないと できないってわけね。」

アルス「さすがは マリベル 理解が早いね。」

マリベル「ふふん。もっと 褒めなさい。」

この日、アミット号では比較的頻度の高い延縄漁を行うことになっていた。
狙った魚を釣りやすいこの漁は漁師たちの間では有名な漁法だったが、
フィッシュベルのように漁師が多く、漁船自体も大きいものを保有していない地ではほとんど行われていない方法だった。

アルス「そういえば 他の町では あんまり 漁師がいなかった気がするね。」

マリベル「ハーメリアと コスタールくらいかしらね。」

ボルカノ「まあ 海に近くない場所では 漁に出る者も 少ないだろうからな。ほとんどは 個人でやっているような もんなんだろうよ。」

*「基本的には 一人じゃ あんまりたくさんの魚は獲れないし 規模も小さくなっちまう。」
*「だから おれたち フィッシュベルの漁師は 力を合わせて この船で共に漁をするってわけよ。」

ボルカノ「ベンギ的には オレが 指揮を執っているがな 実際は 上下関係なんて あったもんじゃねえ。」

マリベル「ボルカノおじさまは 漁の腕も 人徳もあるからね〜。」

*「そういうわけです マリベルおじょうさん。」

少女の一言に漁師が同調する。

サイード「…そういえば どうして 皆は マリベルに対して 敬語を使うのですか?」

するとそれまで壁にもたれて話を聞いていた青年が疑問に思っていたことを尋ねる。

*「さすがに 船の持ち主である アミットさんがいなくちゃ オレたちは漁にも出られないからな。」
*「船を貸してくれる アミットさんには みんな 感謝しているんだ。」

マリベル「あたしも 鼻が高いわね。こんな 立派な漁師たちから 慕われてるんだもの。」

少女が満面の笑みで言う。

ボルカノ「その一人娘である マリベルちゃんには みんな 頭があがらないってわけだ。わっはっは!」

*「なんてったって 将来の アミット婦人だからな!」

漁師たちは楽しそうに笑う。

マリベル「もうっ よしてよね そんな言い方……。」

対する少女は珍しく男たちの前でしおらしく体を捩っている。

サイード「そういうことでしたか。疑問が 解消しました。」

*「まあ 次の網元に変わっても おれたちは 安心して漁ができそうだけどな!」

*「ちげえねえ! がははははっ!」

そう言って今度は少年の顔を見て笑う。

アルス「へっ!?」

突然やり玉に挙げられ、少年は素っ頓狂な声を出す。

マリベル「ちょ ちょっと みんな……!」

サイード「なるほど とっくに 公認だったか。」

“我意を得たり”と言わんばかりに青年が目を見開いて頷く。

アルス「さ サイードまで!」

ボルカノ「おまえたち それくらいに しておけ。」

*「う ウスッ! ……くく。」

漁師頭の一言に返事こそするものの、漁師たちは相変わらずからかうように、生暖かい目で少女とその隣にいる少年を交互に見やっている。



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