過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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◆N7KRije7Xs
[sage saga]
2016/12/24(土) 11:47:27.94 ID:8lPBK+pa0
カジノの中は以前の喧騒を取り戻していた。
とはいえ、魔王の君臨に際しても相変わらず博打に打ち込む客は少なくなかったため大した変化はないのだが、
客の顔は現実から逃げるような悲壮なそれではなく純粋に楽しんでいるように見える。
むしろ真剣な表情で勝負に臨む老若男女の姿にはどこか圧倒されるものがあった。
そんな賭博場の活況をまじまじと眺めている少年と少女のもとへ、その姿を見つけた誰かが走ってきた。
*「ま マリベルおじょうさん! それに アルスも!」
マリベル「どうしたのよ そんなに あわてて。」
駆け寄ってきたのはアミット号のモリ番だった。見ればその顔は屈強な体躯に似つかわず青ざめている。
“何かあった”、というのは一目瞭然だった。
*「そ それが……。」
コック長の言っていた通り、彼を筆頭とする漁師たちは意気揚々とカジノに来たはいいものの、
案の定大負けし、自分たちではとても取り返せない金額になってしまったという。
マリベル「…………………。」
マリベル「あっきれた。まったくいい歳した 男たちが 束になって これじゃあね。」
マリベル「パパに なんて言ったらいいか あたしが 困っちゃうわよ。」
*「そ そこをなんとかっ! 助けてくださいよ〜 お二人共!」
*「海の男 一生の お願いです! このままじゃ 俺たち ここで ただ働きしなくちゃ ならないんです!!」
アルス「ええっ!?」
マリベル「…………………。」
マリベル「アルス あたしたちの 持ち金って どれぐらい 残っていたかしら?」
アルス「20000コイン くらいかな。」
マリベル「……で? あんたたちの 赤字は?」
*「…全員合わせて 30000コイン ぐらいです。」
マリベル「ハァ〜〜〜〜〜。」
長い溜息の後、少女は少年の腕をひっぱり受付へと向かって歩き出した。
*「…………………。」
少女がいったい何をするのかわからず、“不安”の二文字を顔に浮かべたまま漁師たちはぞろぞろとその後を付いて行く。
*「あら いらっしゃいませ。お名前をどうぞ。」
マリベル「アルス。」
くいっと袖を引っ張られ、少年は促されるままに署名する。
*「あら 英雄様 じゃないですか! どうぞ ごゆっくり。」
*「それで アルスさんは 現在 コインを 21504枚 お持ちです。」
*「何枚 お引き出しいたしますか?」
マリベル「全部出してください。」
*「コインの 大きさは どうなさいますか?」
マリベル「端数 以外は 100で。」
*「かしこまりました。少々 お待ちください。」
そう言って受付嬢が奥の金庫へ引っ込むと、未だ少女の真意を掴みかねている漁師の一人がたまらず尋ねた。
*「マリベルおじょうさん いったい どうする おつもりで…?」
男の問いに振り向くと少女は少しだけ口角を上げ、あっけらかんと答えた。
マリベル「足りないなら 増やせば いいんだわよ。」
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