過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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◆N7KRije7Xs
[sage saga]
2017/01/06(金) 20:51:20.80 ID:QSmDR/W/0
サイード「もう 動けるのか?」
少女を寝かしつけ、しばらくしてから少年は部屋を出た。
月明かりの下、青年が池のほとりに座っているのを見つけて歩み寄ると、それに気づいた青年が話しかけてくる。
アルス「うん。おかげさまでね。」
サイード「あいつは どうした?」
アルス「今は ぐっすり 眠ってるよ。」
サイード「そうか。ようやく か。」
アルス「一睡も してなかったんでしょ?」
サイード「そのようだな。」
アルス「…………………。」
アルス「ここに来るまでに 何があったの?」
サイード「話せば 長くなるな。」
アルス「…聞かせて くれないかな。」
少年は真剣な表情で頼み込む。
サイード「ふむ。おまえが幽霊船の中で 倒れたと マリベルから聞いてな。」
サイード「魔物の呪いを受けたと。あの時の あいつの取り乱しようは その……。」
あまり思い出したくないのか、青年は少し顔を逸らして言いよどむ。
サイード「とにかく おまえを横にした後は ああでもない こうでもないと いろいろ船のみんなで 話し合ったんだが 結局 何もいい案はないまま このマーディラスに たどり着いてな。」
サイード「それから あいつは 神に会いに行ったようだが あいにく 不在だったらしい。」
サイード「だがその時 ここに 呪いを解くことができる者がいると 突き止めたらしくてな。それから 一悶着あって 今に至るわけだ。」
アルス「そっか。それが さっきの 神官長だったわけか……。」
サイード「感謝するんだな。あいつはおまえのことを ずっと 気に病んでいたからな。」
アルス「ぼくが ああなったのは 自分のせいだと?」
サイード「そうだ。自分がついていながら 申し訳ないと 親父さんに謝ってたぞ。」
サイード「それに 自分の無力さを 嘆いていた。おれからすれば あれだけの 力をもっていて 何を恥じることがあるのかと 疑問に思ったものだがな。」
アルス「そっか… また ぼくのせいで 彼女を傷つけてしまったのか……!」
アルス「…………………。」
少年の握り拳から血がしたたり落ちる。
サイード「あまり 自分を責めすぎないことだ。それが 彼女のためだと おれは 思うが。」
青年は振り返りもせず言う。
サイード「おまえも 沐浴していくといい。シスターたちには 言ってあるから 覗きに来るものもいないだろう。」
アルス「……ありがとう。」
サイード「礼なら マリベルに …だ。」
アルス「でも きみにも 世話になった。」
サイード「気にするな。こうして 少しずつでも 借りを返していかないと 一生かかっても 返せないだろうからな。」
サイード「じゃあ おれはこれから 船に戻る。おまえたちの 無事を 報告しなければな。」
アルス「それなら ぼくが……。」
サイード「おまえは ダメだ。いまは あいつの 傍にいてやれ。」
アルス「…………………。」
アルス「わかった。それなら これを 使って。」
そう言うと少年は袋の中から魔法のじゅうたんを取り出し青年に手渡す。
サイード「助かる。それじゃ また 明日。」
青年を見届けた後、少年も袋から着替えを取り出し水浴びを始めた。
体の疲労は消えたはずなのに心はどこか重たく、とても自分の回復を喜ぶ気にはなれなかった。
そうしてしばらく体を浸し、少年は天を仰ぎながら少しずつ沸き上がる感情を洗い流していくのだった。
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