過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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◆N7KRije7Xs
[sage saga]
2017/01/06(金) 20:53:51.85 ID:QSmDR/W/0
アルス「ふー……。」
水浴びを終え、再び少年は少女が眠る部屋へと足を運ぶ。
アルス「…………………。」
食欲がないので眠れるかはさておき今日はもう横になろうと決め、少女の隣に開いたベッドへと歩いていく。
マリベル「スゥー… スゥー……。」
先ほどまで自分が寝ていたベッドでは少女が小さな寝息を立てて眠っている。
だがその顔はどこか寂し気で、眉間に少しだけしわを寄せているのがぼんやりと見えた。
アルス「…………………。」
しばらく少女の寝顔を眺めながら眠気がやってくるのを待っていた少年だったが、少しだけ少女の寝息に変化が現れた気がした。
アルス「……?」
注意深く少女の口元を見ていると何か言っているようにも見える。
少しだけ興味が沸いた少年はベッドから降りて少女の顔に耳を近づける。
マリベル「……す……。」
アルス「…………………。」
マリベル「あ……。」
アルス「…………………。」
“名前を呼ばれている”
そんな気がして少年はしばらく思案した後、そっとベッドをまくり少女の隣へと滑り込むと、その体を後ろから抱きしめる。
アルス「ぼくは ここにいるよ。」
少女の温もりを全身で感じつつ少年はそっと少女にささやく。
そして小さく、赤子をあやすように低く甘い声でゆりかごの歌を口ずさみながら少女の頭を優しく叩く。
後から少女の顔は見えなかったが寝息はまた規則的に繰り返され始め、安心してくれていることを感じさせた。
アルス「おやすみ マリベル。」
三日月が優しい光を放ちながら夜空を昇っていく。
少年に抱かれて眠る少女の夢には、いったいどんな景色が映っていたのだろうか。
それは少年にも、これから目覚める本人でさえも、わからない。
そして……
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