過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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458: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/07(土) 17:51:47.02 ID:KtF5zPtg0

*「…え……。」

*「ね…………す…。」

アルス「…………………。」



*「ねえったら!」



アルス「…ん……?」

マリベル「ん〜? じゃないわよ!」

神殿からの帰り道、うわの空で絨毯を飛ばしていた少年は少女の声に気付かずにいたようで、
痺れを切らした少女が少年の肩を揺すりながら呼ぶ。

マリベル「ねえ もしかして 怒ってるの?」

アルス「…怒る? ぼくが?」

マリベル「そうよ……。」

アルス「どうして?」

マリベル「そりゃあ あんた……。」

アルス「船が 見えてきたよ。」

マリベル「えっ。」

自分の思考を遮る少年の言葉に視線を前へ移すとそこには確かに港に停泊する漁船アミット号の姿があった。

アルス「みんなにも 迷惑かけちゃったな。」

明らかに落胆した様子で少年が言う。

マリベル「そ そうよ! あんたのために みんな 苦労したんだからね!」

アルス「うん。」

少年を叱咤する。

そうでもしなければ少女は平常心を保っていられないような気がしていた。

マリベル「みんなに ちゃんと お礼言っとくのよ? とくに ボルカノおじさまと サイードは あんたのこと……。」

アルス「わかってる!!」

マリベル「っ……!」

アルス「っ…! ご ごめん……。」

無意識だったのだろうか、普通に言ったつもりが大声になってしまい少年は自分でも驚き、すぐに少女に謝罪する。

マリベル「…………………。」

アルス「…………………。」

“いったい彼女は今どんな顔をしているのだろうか”

後に座るその人の表情を想像しただけで少年は心に凍てつく刃が突き刺さるような感覚を覚えた。

アルス「ごめん……。」

しかし少年には振り返る勇気がなかった。
どんな脅威にも立ち向かっていくいつものあふれ出る勇気は微塵も出なかった。

マリベル「…ん……。」

少女も小さく返すだけでそれ以上の言葉はでなかった。
次に出てくる言葉はきっと少年だけではなく、自分すら傷つけてしまうのではないか。
そんな恐怖が背筋を走り、とてもではないが何かを話す気にはなれなかった。




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