過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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50: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/24(土) 11:58:26.84 ID:8lPBK+pa0
*「こ… こちらで… 全てになります…。」

受付では100ドルコイン詰め込まれた木箱を抱えた受付嬢が息を切らしながら言った。

*「し… 信じられん…。」

*「こんな ことが…。」

*「夢でも 見てるんじゃあ ねえだろうな…。」

*「いつつ! 引っ張るんじゃねえ!」

アルス「今まで 10ドルスロットでも 出したことなかったのに…!」

マリベル「お おほほ… おほほほほほほっ!!」
マリベル「…………………。」

アルス「…差し引き いくら?」

*「はい 皆さんの 損得合計で… 3006054枚です!」

マリベル「さ… さんびゃくまん……。」
マリベル「ど どうしようっ アルス!!」

思わず横に立つ少年の肩と手首を掴んで揺さぶる。

アルス「ぼ ぼくたち もう 欲しい景品もないしねえ……。」

落ち着きなく狼狽えているとどこからともなく異様な雰囲気を嗅ぎつけてカジノ中から客がやって来た。
恨めしそうな目でコインの束を見つめてい者もあれば、羨望の眼差しで見る者、すがるような眼を向ける者と三者三様だったが、
あれよあれよという内に一行の周りは人だかりで完全に埋め尽くされてしまった。

“まもののむれよりも質の悪い連中につかまった”と、万が一の事態に備えて少年は自分の背に少女を隠す。

しかしそんな中、少女が少年にそっと耳打ちをすると、しばらく考える素振りの後、少年もそれに同意して頷く。
それと同時に少女は冷や汗を浮かべる受付嬢に、否、周りの雑踏にも聞こえるようにわざとらしい大声で語り掛ける。

マリベル「もし。ここにあるコインを 皆さんが抱える 赤字にすべて 当てて差し上げて よろしいかしらん?」
マリベル「それから これをチップに 今夜 ここで パーティーを 開いて いただけませんこと?」

思いがけないというより普通であればありえない提案に、受付嬢も、漁師たちも、見物客たちもが文字通り“絶句”した。

どこからともなく聞こえてきた“ごくり”という音は幻聴の類では決してないだろう。

しばらく蝋人形のように固まっていた受付嬢が走って執務室へと向かい戻ってくるまでの間、痛いほどの静寂が辺りを包み込んだ。

そして…。



*「お待たせしました。」



やがて受付嬢と共にやってきたのはこのカジノを任されているであろう人の良さそうな初老の男性だった。

*「そのご提案であれば よろこんで お引き受けいたします。では 早速。」
*「こちらにありますは 当カジノで 記録されている 負債者リストです。」
*「どうぞ これを。」

[ マリベルは 負債者リストを うけとった! ]

マリベル「ありがとっ。」

[ マリベルは メラを となえた! ]

小さな発動音と共に少女の手元にあった紙の束は一瞬で燃えカスとなった。

その瞬間、一斉に歓声と拍手が沸き起こり、一行をかき分けてなだれ込んだ群衆の手により少女は宙を舞った。

*「うおおおっ!」

*「女神だ! 女神さまが 舞い降りられたぞ!」

*「女神様 ばんざーい!!」

マリベル「きゃっ! ちょっとぉ! うわっ! あははっ!」

二回、三回、四回、五回。

いつの間にか少年も漁師たちも加わり、女神と称された少女は何度も天を舞うのだった。




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