過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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◆N7KRije7Xs
[sage saga]
2017/01/11(水) 19:44:38.06 ID:LLGD6zi70
マリベル「えっ……。」
その言葉の意味が分からず今度は少女が少年を見つめる。
目に映った少年の身体は細身ながらかなりの筋肉質で、
その肌には相変わらず癒えない傷痕がいくつも刻み込まれており、
これまで彼がいかに身を挺して仲間を守ってきていたかが窺えた。
まるで誰かの傷を肩代わりするかのように。
マリベル「…………………。」
少女も滅多なことでは見ない少年の裸体は、非常に痛々しくもあり、
それでいて猛々しく、不思議な魅力を醸し出していた。
だがその傷の多くが彼女を守るためにつけられたものであることもわかっていた。
アルス「……マリベル?」
マリベル「…………………。」
少女は少年の言葉も聞こえぬほど食い入るように少年の身体を見つめていた。
いったいどれほどの血がこの体から流れたというのだろうか。
いつも何食わぬ顔して少女をかばい続けるその体は、どれほどの痛みを抱えてきたというのだろうか。
改めて目の前にして見ているうちに少女の中で感情が沸き上がってくる。
マリベル「アルス……。」
アルス「ん?」
呼び掛けに応じるその瞳は優しく、そんなものなど最初からなかったかのように少女の翡翠色の瞳を写していた。
マリベル「ごめんなさい。」
アルス「えっ?」
マリベル「ありがとう。」
そう言って少女は少年の身体を、その傷痕を労わる様に、何度も、何度も優しく撫でる。
アルス「…………………。」
アルス「それは ぼくのセリフだって いつも 言ってるじゃないか。」
そうして少年は少女の手を取り、そのまま優しく少女の肩を抱く。
マリベル「…ばかアルス……。」
そう言って少女は少年の肩に首をもたれる。
密着する二人の体がいつもより熱く感じられたのは、温泉のせいだったのだろうか。
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