過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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◆N7KRije7Xs
[sage saga]
2017/01/13(金) 20:05:02.77 ID:ZKa88jEr0
アルス「…………………。」
時計塔へと飛びこんだ少年は先ほどここに逃げ込んだであろう騒動の元凶を探して辺りを見回していた。
アルス「……静かすぎる。」
どうやら一階部分の広間にはその気配はないようだった。
アルス「上かな……。」
少年の脳裏に過去の町で起きた時間の止まった世界のことが浮かぶ。
“あんなことがまた起きるのではなかろうか”
そんな不安がじわりと少年の胸に去来する。
“ギィ……”
階段を上り扉を開けた先にも誰もいない。
残すところは最深部となる歯車の部屋のみとなった。
アルス「…………………。」
少年は音を立てないように“しのびあし”で慎重に階段を上っていく。
そして三階部分へやってくると階段から頭が出ないように辺りを見渡した。
アルス「……っ!」
*「…………………。」
そこに、それはいた。
魔物は少年のいる階段の方へ背を向け、大きな歯車を見つめてじっとしていた。
アルス「……?」
少年が少しだけ頭をずらして奥を見やった時、先ほど感じた違和感の正体に気付いた。
“止まっている?”
ここに来るまで確かに表の時計の針は動いていた。
しかしこの時計台の中に入ってからというものの、
いつもは大きな音を立てて回っているはずの歯車の音が一切聞こえなかった。
妙な静寂の原因はこれだったのだ。
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