過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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683: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/14(土) 18:25:34.95 ID:I8BPs1sh0



アルス「…………………。」



甲板まで出た少年はすぐに魔法のじゅうたんを広げ、自分の本当の父親がいるであろう魔の巨塔を目指して飛んでいた。
魔王が倒れたとはいえ、あの中が安全であるという保証はどこにもなかった。
万が一あの強力な魔物たちが未だに巣食っていたとすればそれは調査に向かった海賊たちの命にかかわりかねない。
それが例え百戦錬磨の戦士たちであろうと危険なことに変わりはない。

アルス「無事でいてくれ……。」

偶然にも再開を果たした本当の父親の背中が脳裏に浮かぶ。
跡を継ぐことさえ断ったものの、彼とて少年の大事な人であることに変わりはないのだった。

アルス「っ!」

入口が見える。

地上部分に設けられた大きな扉はまだ開かれたままだった。

少年はさっと絨毯を飛び降りると、それをしまうのも忘れて一直線に走り出す。

周囲の状況など目に入ってこなかった。

アルス「シャークアイ!!」

扉をくぐると少年は力いっぱいに叫び己の存在を知らしめる。

アルス「どこですか! キャプテン・シャークアイ!」

少年の叫び声が、がらんどうの広間の中に木霊する。

アルス「…………………。」



“ドンッ!”



アルス「…っ!」

突如響いた地響きのような音に少年は天井を見上げる。
パラパラと落ちてくる砂埃を払いながら少年は音のする方を目指して階段を上っていく。

[ アルスは トラマナを となえた! ]

毒の沼を超え、長い長い梯子を登っていく。

時々起こる振動は徐々に大きさを増し、何者かがそこで暴れていることが窺えた。

アルス「間に合ってくれ!」

梯子を昇りきり、息が上がるのも忘れてさらに階段を駆け上がる。

*「ぐあああっ!」

誰かの悲鳴が聞こえる。

アルス「くっ……!」

*「ケェェェェ!!」

甲高い鳴き声が聞こえる。

*「おい しっかりしろ!」

聞き覚えのある男の声。





アルス「シャークアイさん 伏せて!」





階段を上りきった少年はその背中目がけて思い切り叫ぶのだった。



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